Music's Gonna Set Me Free...
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RATING: 8/10

3月は年度末ということもあって多忙だったため更新はわずか2回にとどまりましたが、今月からまたペースを上げられるようにしたいと思っています。

さて、この間に聴いていた音楽の中で、このブログでは殆ど取り上げることのないクラシック・メタルの新譜で感銘を受けたアルバムが続いたこともあり、今回から「春のクラシック・メタル祭り」として立て続けにこの系統の作品を取り上げていくことにします。最初にご紹介するのは新たにリッチー・レインボーという身も蓋もない芸名を名乗ることになったフレドリック・ノルドストローム(G)率いるDREAM EVILの5作目です。セカンド・ギタリストの交代や所属レーベルとの契約更新などもあって前作から3年半という長いスパンが空きましたが、王道すぎるほどに王道のHMスタイルがここにきてさらに確信的に強く打ち出された感があります。アルバム・タイトルや"Bang Your Head""The Ballad""といった曲名に象徴される判り易さ、ストロングさを前面に押し出した曲調、以前のソフトなイメージから一転してロブ・ハルフォードばりのスクリームを用いるなど骨太さを増したヴォーカルなど、クラシック・メタルの格好良さに徹底的にこだわった仕上がりといえるでしょう。

その反面、日本人好みのメロディックな側面が後退したことがここ日本では否定的に捉えられているようですが、僕にとってはこのぐらいストロングなほうが気持ち良かったりもします。前作はやや地味な感もありましたが、その停滞感を強烈なパワーで吹っ飛ばした快心の1枚と言いたいです。
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RATING: 7.5/10

DEATH/CONTROL DENIED/ICED EARTHのリチャード・クリスティ(Ds)が音頭をとり、元JUDAS PRIEST/ICED EARTHのティム・リッパー・オーウェンズ(Vo)、SADUS/DEATH etc.のスティーヴ・ディジョルジオ(B)、メタルコア系のプロデューサーとして知られるジェイソン・スーコフ(G)と結成したニュー・バンドのデビュー作。ダークなスラッシュ/パワー・メタルをベースにして、デス・メタルばりのブラスト・ビートを随所に取り入れたストロング・スタイルの音楽性は、ちょうどスラッシュを通過した"Painkiller"~90年代メタルを通過した"Jugulator"以降の流れに位置付けられそうな、デス・メタルからメタルコアを通過した正統派メタルともいえるでしょう。あちこちで言われているように各メンバーのパフォーマンスは文句なく素晴らしいといえるものですが、曲の速い遅いにかかわらず終始ハイ・テンションで圧倒し続けることもあり、曲ごとの印象が今一つ残りづらい(特に歌メロがキャッチーさに欠けるのは致命的)というのが正直なところです。演ろうとしていることは文句なしに買えるだけに、そこだけが本当に残念。
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RATING: 8/10

3年ぶりとなる7作目。従来のナルシスティックなメロディ・ラインにドゥーミーなサウンドという新機軸を持ち込んだ前作から一転して再びそれ以前のスタイルへの揺り戻しが図られていますが、音作りはさらにライトになり、よりヴォーカルを主軸とした作りとなっています。そこに前作でもう一つ新たに開拓したヴィレ・ヴァロのスクリームがさらに頻度を上げて持ち込まれており、単なる過去の焼き直しにとどまらないエモーショナルな色合いが加わっています。このスクリームが全作品中最もポップなイメージで固められたアルバムに強い印象を残しているような気がします。一発で耳を捉えるキラー・チューンが今回も存在しないのが残念ですが、全体的にレベルの高い仕上がりにまとめているのはさすがといったところです。

しかし前作のタイトル「Venus Doom」といい、今作といい、アルバム・タイトルが的確にその音楽性をわかりやすく示している例は珍しいですね。今作の場合は「Screamがどのようにwork(作用)するか、Theory(理論)を組み立ててLove metalの中でPractice(実践)してみよう」という風にも解釈できます。限定盤に全曲のアコースティック・ヴァージョンを収録したボーナスCDが添付されていることもあり、本編とスクリームを一切使わないアコースティック版を聴き比べていくと、その意図がより理解できるのではないでしょうか。何故この限定盤を日本盤で出さない!?来日決まるまでとっておくつもりなのか。
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RATING: 8.5/10

闇の皇帝EMPERORのブレインによる2年ぶり3作目のソロ・アルバム。前2作に続いて"A"で始まるワン・ワードのタイトルから想像できるように、3部作の完結編という位置付けのようです。僕が購入したのはインタビュー。ライヴ映像などを収録したDVD付きの限定盤です。最初の「The Adversary」EMPERORの延長線上にある作りでしたが、前作「AngL」ではEMPEROR色を弱め、いよいよプログ・メタルの領域に踏み込んでいきましたが、今作ではその方向性のさらなる推進に加えてサックスを大々的に導入。それまでの耽美性、暴力性の両立した世界観に加えてアヴァンギャルドなカラーを持ち込んでおり、ブラック・メタル色もその一部として機能しているような印象を受けました。前作にゲスト参加したミカエル・オーカーフェルトによほどインスパイアされたものがあったのか、自身のクリーン・ヴォイスもより深みを増し、ひいてはそれが全体の聴き応えを一段上の次元にまで高めているような気がします。前作で感じられたOPETHっぽさをより推し進めつつ、先述のアヴァンギャルドな新機軸により十分な差別化を図ったさすがの力作です。EMPEROR以来ずっと続いていた「闇の~」で統一された邦題が今回遂に採用されないようで、それが少し残念。
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RATING: 9.5/10

とにかく煮え切らない印象ばかりが残った前作「Transgression」の後再び活動を休止したFEAR FACTORYですが、クリスチャン・オールド・ウォルバース(G)とレイモンド・ヘレーラ(Ds)がARKHEAで活動している間に一旦バンドを追放されたディーノ・カザレス(G)とバートン・C・ベル(Vo)が和解し、新たに元STRAPPING YOUNG LADのジーン・ホグラン(Ds)を加えて復活、5年ぶりとなる7作目をリリースしました。

使い古された言い方になりますが、やはりバートンとディーノの間には“マジック”があったということをイヤというほどに実感させられる出来、という一言に尽きます。分かり易く言えば1st、2ndの暴力性に3rd、4thのキャッチーさを少しばかり融合したということになりますが、今までにもなかったほどのスラッシーなスピード感(DIVINE HERESYから持ち込んだものであることは言うまでもないでしょう)の中でディーノの殺戮リフ、バートンの咆哮とメロディアスではあるものの無機質な歌唱が冴え渡っており、セルフ・パロディとは断じて言わせない気迫を全編で伝えてきます。この2人に遠慮することなく激しく叩きまくるホグランのドラムも相変わらずグレイト。キラー・チューン目白押しの本編に加えてボーナスで収録された"Crash Test"のリメイクもクール(他に'91年録音のデモ3曲も追加)。DIVINE HERESYも並行して活動するということで、ファンにとっては楽しみが倍増したことは確かでしょう。ディーノの復帰で期待されたものをお釣りがくるほどに示してみせた、早くも私的2010年ベスト10入り確実の傑作。

 
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RATING: 8.5/10

正規リリースの2か月以上も前にオフィシャルMySpace上で全曲無料配信という暴挙をやってのけたアイルランドのスラッシュ・メタル・バンドの2作目。気に入ったらオマケもつけるから是非とも買ってくれ、というわけでボーナスEP「Half Cut」を添付した2枚組のスペシャル版を購入しました。

レーベル・メイトのMUNICIPAL WASTEに近いクロスオーヴァー系のスポーティな切れ味を押し出したプロダクションで、前デビュー作で既に示されていたスピーディなリフの刻みとコンプレッションをかけたビートが完璧に調和した抜群の疾走感、ドライヴ感がさらにパワー・アップ。本編全12曲で30分という短さですが、ファニーな雰囲気を押し出しつつ曲構成は至ってクラシックなメタル・マナーに則っており、無駄な展開を極力省いて2.5倍速化したクラシック・メタルといった趣さえ感じさせます。先の全曲無料配信が自信の表れであることが何となく理解できるヘッドバンガーズ・アルバムの佳作ではないでしょうか。
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RATING: 8.5/10

今年デビュー25周年を迎えたOVERKILLNuclear Blastに移籍して放つ2年ぶりの16作目。個人的にはOVERKILLはどのアルバムでもOVERKILLとしか言いようのない音を出していたと思いますが(それはもちろんブリッツのヴォーカル、D.D.のゴリゴリのベース、ザクザク刻みまくるギター・サウンドがどんな曲調だろうと常に前面に出ていたことによるところが大きいわけですが)、今作は80年代の作品でもここまで速い曲を立て続けに繰り出すことはなかった、といえるほどにスピード重視に振り切れた内容。特に頭3曲のファスト・チューン連発には曲の長さも忘れて燃える。その一方でNWOBHM風のリフを持つ"Bring Me The Night"や後半に"The Trooper"へのオマージュといえるフレーズが飛び出す"Endless War"など、随所にクラシック・メタルへのリスペクトが感じられ(ツボを押さえたギター・ソロもグレイト)、初期のOVERKILLの特徴であった“暴力的な正統派HM”というべきスタイルを現代的にアップデートしたような雰囲気も感じられます。終盤でやや息切れの感は否めないものの、これだけのヴェテランが未だ衰えぬエナジーを全力で振り絞るかのような激走による突き抜けた爽快感はそれを補って余りあるほど。これは期待以上の快作といってもいいでしょう。



 
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RATING: 9/10

日本を代表するブラック・メタル・バンドが女性ヴォーカル/サックス奏者のDr.Mikannibalを新たに加えての3年ぶりの8作目。シンフォニック・スラッシュという新路線を開拓した前作「Hangman's Hymn」のスタイルを継承したものですが、その質感は前作とは大きく異なっています。分かり易く言えば前作の荘厳重厚さと整合感を解体し、バンド・サウンドはよりロウな荒々しさを強め、シンフォニック・アレンジはホーン・セクション主体でチンドン・オーケストラ的な色合いに移行することによって退廃感と邪悪さを見事描きだすことに成功しており、結果として前作では希薄だったアヴァンギャルドな感触も復活しています。得体の知れない怖さと迫力を増量しながら、聴き易さにもしっかり配慮したと思われる曲作りは前作譲りであり、川嶋未来とDr.Mikannibalが噛み付きシャウトとグロウルの掛け合いヴォーカルをキメることによってスピード感もアップ。前作の好評による期待を軽くかわしつつ、さらなる世界観の広がりを提示してみせた文句なしの力作でしょう。

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