Music's Gonna Set Me Free...
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RATING: 8.5/10

BENUMBVULGAR PIGEONSの元メンバーらによって結成されたニュー・バンドのデビュー作。ファスト・コア、スラッシュ・メタル、スラッジ・コアの極悪なテイストのみを抽出したかのような音楽性で、今にも血管がブチ切れそうなテンションで早口で喚き散らすヴォーカルが荒々しく暴走するサウンドに乗るところは、まるで偶然目が合った見ず知らずの他人を気に入らないからという理由だけで容赦無く集団暴行しているかのようです。無慈悲な圧殺感を演出するスロー・パートも含め、これらの極悪ぶりがすべてエクストリーム・メタルとしての格好良さに直結しているのがいいですね。最近聴いた中ではかなりの大穴といえる1枚です。
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RATING: 7.5/10

アタマが80'sで止まってしまったのような時代錯誤スラッシャーはMERCILESS DEATHだけではありませんでした。こちらはカリフォルニア出身の5人組がMetal Bladeからリリ-スしたデビュー作。彼らもまた、ジャケットも音も90~00年代を通過してきた人達とはとても思えないような古臭さで、リアルタイマーでない人が今作を聴いたらまるで当時RoadrunnerとかNoiseあたりから腐るほど出ていた80年代B級スラッシュ作品のリマスター再発かと信じて疑わない人が何人かはいそうな雰囲気を漂わせます。特にNWOBHM流れの煮え切らないリフの積み重ねによる緩急に気を遣った曲構成からは、今ではすっかり使われなくなってしまった“スラッシュ/パワー・メタル”というタームを思わず引っ張り出してきたくなります。MERCILESS~が新作でやらなかった、初期トム・アラヤばりの“アァ~ッ!”という発狂シャウトが時折出てくるところからは、やっぱり彼らも人里離れた山奥でひたすらスラッシュ・メタルだけを聴き続けて人生の大半を過ごしてきたかのようなダメ人間であることを実感させます。個人的にはとても懐かしい音ですし、'91年ぐらいにこれを聴いていたらもっとエキサイトしていたんだろうなぁと思いますが、やはり今の視点で聴くと古臭さは否めず、MERCILESS~に比べると今のシーンを強行突破するかのようなハチャメチャなエナジーがいまひとつ弱く感じられたので、レーティングはこんなところで。
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RATING: 8/10

前作「EVIL IN THE NIGHT」が昨年スラッシャーの間で話題となったMERCILESS DEATHの2ndが早くも登場...ですが、その前作は2006年に自主制作でリリースされていたようなので、実質2年ぶりということみたいです。前作であれだけ派手にトレンドキラーぶりをブチ上げていただけに、今作も当然80'sにドップリ漬かった理屈抜きで首を振りたくなる猪突猛進型スラッシュ一直線で、違いといえば音が若干良くなったことぐらいでしょうか。歌詞が徹底的に浮世離れしたサタニック路線で統一されているのもバカっぷりを反映しておりクールですが、やはり音楽的に前作とほぼ同一の路線であることが相対的にインパクトを弱めているのは致し方の無いところでしょうか(前作で聴かれた突拍子もないシャウトがないのも...)。しかし90年代以降のメタルを一切聴かずにここまで生きてきたかのような、ノスタルジーもクソもねーよ、と言わんばかりの不器用さをリアルに響かせる説得力が依然として健在なところに、このバンドの頼もしさを感じました。ちなみに今作のジャケットを手掛けたのはジャーマン・メタル系御用達の巨匠アンドレアス・マーシャル。祭りだ、祭り。
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RATING: 8/10

歌詞カードの作りがモロにMY CHEMICAL ROMANCEの「THE BLACK PARADE」をパクっていることから、レーベルが第2のマイケミに仕立て上げようとしていることがよくわかるイギリスの5人組のデビュー作。KERRANG!あたりが結構プッシュしているらしいです。あざといまでのベタな泣きメロ連発にピアノとストリングスが絡みながら疾走するエモ・サウンドで畳み掛ける出だしを聴いたところではマイケミの安っぽいフォロワーか(質は高いですが)と思いましたが、後半に入ると様相が一変。泣きメロの質はUSエモよりも一時期流行ったUK叙情派ロックからの影響が大きくなり、ストリングスが一層派手にブチ込まれて無意味なまでに壮大なスケール感を伴った、映画音楽のような世界観を作り上げています。さながらマイケミが次のアルバムあたりでやりそうなことをこのバンドが先取りしてしまったかのような印象もありますが、今作の時点では人によっては飽きるの早そうだなと思わせてしまうのも確かです。この壮大さを突き詰めていったら次作はさらに面白くなりそうです。ライヴで再現するの大変そうですが。

なお、5月21日にリリースされる日本盤はジャケットが単なるバンド・ショットに変更。今作の音楽性を伝えるにはこのままのほうがいいと思うのですが、何故にそういうことするかなぁ。
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RATING: 8.5/10

'96年のSEPULTURA分裂以来、12年ぶりのマックスとイゴールのカヴァレラ兄弟の“共謀”となるプロジェクト作。この2人の共演で誰もが期待する通りの100%スラッシュ・メタルとしか言いようのない内容ですが、往年のSEPULTURAよりもシンプルかつストレートでソリッド、そしてSOULFLYのトライバル・リズムも味付け程度にとどめられており、明らかに両バンドとの差別化を図りつつ、兄弟のメタルのルーツに立ち返ったといえます。決して往年の焼き直しではないとはいえ、この兄弟が組むと“あの頃”と同質のエキサイトメントを感じてしまい、格好良いリフが多いこともあってあれこれ邪推する前に首を振ってしまうわけですが、そこに新風を吹き込んだのが今やマックスの片腕として欠かせない存在となったマーク・リゾのハイテク・シュレッド・ギター。もはや一聴して彼とわかるほどの独特の音色とフレージングはやはりクールであり、特に"Hex"は彼のプレイなくしては成立しなかったとさえ思えるほど。兄弟の再合流ばかりに目が行きがちですが、今作ではリゾの存在感も特筆すべきでしょう。7月にリリースが決まったSOULFLYの新作でもリゾの活躍に期待しましょう。CONSPIRACYでもSOULFLYでもどっちでもいいからまた日本に来てほしいですね。LOUD PARK 08の開催も決まったことだし。
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RATING: 8/10

お久しぶりです。まだ生きています。4月に転勤となった関係でしばらくネットが使えない状態でしたが、ようやくネットをつなげることができました。

再開1発目のエントリーは、2006年のジョン・ノトヴェイト(DISSECTION)自殺で最もとばっちりを食った男、グレン・ベントン率いるDEICIDEの2年ぶりの9作目です。ノトヴェイト自殺により過去の「33歳になったら自殺する」宣言を蒸し返され、おまけに前作に参加したラルフ・サントーラ(G)がクリスチャンであることを暴露されて猛烈な非難と失笑を浴びましたが、その後サントーラはOBITUARYに移籍、今作のジャケットも地味なこともあってこれはパワー・ダウンは免れないかと思っていましたが、これで落ち込むベントンではありませんでした。方向性こそブルータルな暴走サウンドに流麗なリード・ギターをぶち込む前作のスタイルをそのまま踏襲したものですが(ちなみに脱退したサントーラがゲストという形で半数以上の曲でリードを弾いています)、この一連のバッシングによる開き直りが強烈な殺気に転化されたような印象です。重厚荘厳なイントロに続く2曲目が並の出来だったのでどうなるかと思いましたが、それ以降はひたすら速さとドス黒さの塊のような音像で押しまくり、ちょっと聴きには前作と演っていることはほとんど一緒ながらも、音から伝わる邪悪さは快作であった前作をも凌いでいます。いくらベントンがヴォーカルで参加しているVITAL REMAINSが過激さで上回ろうとも、ベントンのサタニズムがポーズであろうとも、今作がクールなデス・メタル・アルバムであることは間違いないでしょう。

ちなみにバンドは当初、サモス(EMPEROR/ZYKLON)に今作へのゲスト参加を要請していたようですが、結局それは実現せず。もし実現していたらどうなっていたのかと思うと少し残念な気もしますが、まあ、いいでしょう。
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RATING: 8.5/10

MORBID ANGELのライヴ・ギタリストという肩書きから常に元のバンドと比較される運命を背負いながらも、今やプロデューサーとして確固たる地位を築いたエリック・ルータンが自分以外のメンバーを総入れ替えして制作した2年ぶりの4作目。既に1stの時点でMORBIDから荘厳さを取り去って速さと激しさのみに焦点を絞り切った、元のバンドとの比較など全くもってナンセンスなブルータル・デス路線を追求していましたが、ここにきてその暴力性がさらに突き詰められた印象です。全曲徹底してブラスト主体の曲調もさることながら、リズム・セクションがとことん重心を低く、かつクリアに録られていることもあり、全編凄まじいほどのド迫力(特にギター・リフに重なる2バス連打の嵐は圧巻)で襲いかかってきます。今作は'06年に急死した元メンバーのジャレッド・アンダーソン(B)に捧げられていますが、音やヴォーカルを聴く限りでは感傷的なムードなど殆ど感じられず、むしろその感情をやり場のない怒りとして無差別にブチ撒けるかのようなキレ方が凄い。ジャケットは前作に続いてダサいし、今作はアルバム・タイトルも個人的にはダサく感じてしまいますが、そのタイトルに偽りなしの燃え上がる怒りが全編に渦巻く快作です。
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RATING: 9/10

VITAL REMAINSVILE等でプレイした経歴を持つマルコ・ピトゥルゼラ(Ds)を擁する4人組がMetal Bladeからリリースしたデビュー作。バンド名やジャケットはB級ですが、中身は超A級を誇っています。CRYPTOPSYORIGINBENEATH THE MASSACREあたりの系譜に連なるハイテク・ブルータル・デス・メタルですが、既に速さ、テクニックの両面とも前述のバンドを凌駕しています。アルバムの9割方は人間業の域を遥かに超えたブラスト。さらにギターも狂ったように超速スウィープを繰り出し、普通はその2つの影に隠れがちなベースもなんと7弦でタッピングしながらギターとの高速ユニゾンをキメまくる。昨年のB.T.M.は暴虐性の中にも若干の知性が感じられましたが、ここに至ってはその知性すらもほぼゼロに近いほどに激音を休みなく繰り出すことしか頭になさそうで、はっきり言って曲の判別などほぼ不可能。しかしそんなことなどもはやどうでもよくなるくらいに、一度聴き始めたらストップ・ボタンを押したくなくなる緊迫感が全編を貫いています。はっきり言ってここまでやられたらもう笑うしかありませんが、そんな中ほぼ全編ソロかというほどにギターが絶え間なく弾きまくり、ヴォーカルなどお構いなしといわんばかりにベースとドラムとのバトルを繰り広げ、終盤に明確なメロディを伴ってエンディングまで突進する、ある種ドラマティックとさえいえる展開を見せるラストの曲には笑いを通り越して感動すら覚えました。上記のバンドが好きな人には問答無用でお勧めです。
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RATING: 7.5/10

デビュー当初はバンド名やアートワークのイメージからスクリーモ・バンドかと目され、実際それっぽい要素もありましたが、その後徹底してヘヴィ・メタルであることを前面に押し出して成功を収めたBFMVの2作目。前作のスクリーモとメタルコアのミッシング・リンク的なスタイルをキープしつつ80年代メタル全般にまで音楽性の幅を広げ、現在のバンドのパブリック・イメージにほぼ忠実でありつつ、それ以上のポップな側面までアピールした、HR/HMの全方位対応型というべきアルバムに仕上げてきました。

今作の特徴はやはりマット・タックの声質がノドの手術を経て変化したことだと思いますが、前作のヴォーカル・スタイルがありがちなスクリーモ・タイプとはいえアンガー・ヴォイスとノーマル・ヴォイスのコントラストがそれなりに強い印象を残していたのに対し、今作でのノーマル・ヴォイスは妙にソフトにしか聞こえないのが残念なところで、これは今後のライヴでの積み重ねに期待するしかありませんが、それ以上に残念だったのが曲やプロダクションがあまりにソツなくまとめられすぎていて優等生的な印象がどうしても先に立ってしまうところですね。作風が同じベクトルを向いているといえるTRIVIUMの「THE CRUSADE」あたりと比べてもあからさまにライヴでの盛り上がりを想定したような作り("Eye Of The Storm""Forever And Always"でのハンド・クラップはモロ)が目立ち、そこに興ざめの感は否めないところです。"Hearts Burst Into Fire"のイントロやリード・ギターはANNIHILATORっぽいし、おまけにボーナスの"No Easy Way Out"は個人的にはJOURNEY(!)っぽく感じたところなど、一部で元ネタがモロに見えてしまうところも痛いですね。ゴリゴリのメタル路線だけでは他との差別化が図れなくなると思って導入したと思われる今作でのポップ路線を今後どのように自身のオリジナリティとして昇華させるか、それが次作以降の課題ではないでしょうか。
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