Music's Gonna Set Me Free...
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今回で最終回となる「初期スラッシュの素晴らしき世界」で取り上げるのは先日最終作「Infini」をリリースしたカナダのVOIVODです。このトピックでは'84年から'86年にリリースされたアルバムに限定して取り上げてきましたが、VOIVODがこの時期にリリースした2作はどちらも初期スラッシュの魅力全開の甲乙つけ難い力作ですが、ここではアルバム・タイトルがその凄まじさを物語る'86年リリースの2作目「Rrröööaaarrr」をセレクトすることにしました。

ここ日本ではサイケやプログレを取り入れた知的なスタイルに移行してからの評価が高く、ジェイソン・ニューステッドの加入によってその評価は決定的なものとなりましたが、ヘッドバンガーにとっては初期2作の知性のカケラもない爆裂スラッシュ路線への思い入れのほうが強いことでしょう。前作1st「War And Pain」で示した、ノイジーなギターと暴走するリズム、闇雲にわめき散らすヴォーカルが一丸となり、整合感一切無視で怒涛の如く襲いかかるハードコア・パンクと紙一重の爆裂サウンド(当時自らこの音を「ニュークリア・メタル」と称した)をさらに強化した、今にも鼓膜をぶち破らんかとするかのような爆音のオンパレードはただただ圧巻の一言。原始的な衝動をひたすら熱くブチまける演奏ぶりはメタルどころかロックの原点をも感じさせますが、その一方でギターの不協和音や変則的なリズム・パターンなど、後の変化を予感させる要素も垣間見せています。前作はリマスター化されてより破壊的な音になり、今作もぜひリマスター化を期待したいところですが、現在音源の権利を持つSanctuaryがメジャーのUniversalの傘下に入ったため、俺達のアルバムなんてリマスターしてくれないだろうとメンバーは語っていました。

こうして初期スラッシュの名盤を立て続けにご紹介していきましたが、こうして自分でまとめていくと以前ははっきりとは判らなかった“スラッシュ”と“パワー・メタル”の違いというものがよく見えてきたような気がします。それは“ヴァイオレンス”の有無という一点に集約されるということです。たとえば“歌う”ヴォーカルを擁したMETAL CHURCHがパワー・メタルと呼ばれるのはよくわかりますが、同じくヴォーカルが歌いまくるANTHRAXはなぜスラッシュとしか言いようがないのかといった疑問も、これで解決できるような気がしています。このシリーズをやるきっかけとなったEXODUSの1stについてのエントリーで書いた、「スラッシュ・メタルというタームは“暴力性”を指しているのではないか」ということが、このシリーズを書いていてはっきりと確認できたような気がします。また、初期スラッシュ特有の洗練とは程遠い荒々しい演奏は当時日本ではほとんどまともに評価されませんでしたが、それが多くのファンの心を動かしたのは紛れもない事実であり、ロックに演奏の巧いもヘタも関係ねえ、ということを改めて実感させてくれました。いつかまた機会があったら一つのジャンルをスポットを当てたシリーズをやってみたいと思います。
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