Music's Gonna Set Me Free...
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
wakeman1.jpg

7月に発売されたYESの紙ジャケSHM-CDは久々にほぼ全タイトルが瞬殺となり、改めてYESというブランドの威光をまざまざと見せつける形となりました。特に熱帯雨林でのプレミアぶりは凄まじいものがあり、これで新規リマスター+高音質CD化+アナログ初回盤帯復刻という“紙ジャケ再発・勝利の方程式”(勝手に命名)が完全に確立されたといってもいいでしょう。そしてそれに続けとばかりに、今度はリック・ウェイクマンのA&M時代の作品8タイトルがその勝利の方程式を踏襲する形で再発されました。この中で注目はやはり“歴史・文芸3部作”として名高い初期3作になると思いますが、個人的には'73年リリースのソロ・デビュー作となった「ヘンリー八世の六人の妻」が最も気に入っています。

本作はウェイクマンがYESに加入した直後から制作が開始され、YESのツアー中に読んだイギリスのチューダー王朝の2代目国王、ヘンリー8世に関する書物にインスパイアされたコンセプト・アルバムとなりました。本作は全編インストのため、いったいどこにコンセプトを見出せばいいんだ、って気もしますが、それがどうでもよくなってしまうほどに完成度の高い作品に仕上がっています。ウェイクマンによる多彩なキーボード・プレイは勿論のこと、バックのメンバーの演奏(特にYESの僚友ビル・ブラッフォードとアラン・ホワイトのドラムが素晴らしい)に支えられた、クラシックを中心にしつつジャズやフォークなどの要素を見事に一体化した優雅な世界観に加えて、終始ロック的な躍動感が貫かれていることもあって、シンフォニック・プログレの理想的な形が描き出されているといってもいいでしょう。個人的にはジャジーな疾走感が気持ち良い"Ann Of Cleaves"がお気に入りですが、他の曲もコンパクトにまとめられていることもあって、一気に聴き通せます。

本作はインスト作品としては異例の大ヒットを記録し、ウェイクマンがこれに気をよくしたことに加えて他のYESのメンバーとの人間関係が悪化したことにより、オーケストラとの共演ライヴ録音を敢行した次作「Journey To The Centre Of The Eatrh(地底探検)」リリース後にYESを脱退、オーケストラを率いてのド派手な活動を繰り広げていくことになります。結果的にはそれがプログレ衰退の遠因にもなってしまうわけですが、その原点となった本作は未だ色褪せない魅力を放ち続けています。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://episode666.blog21.fc2.com/tb.php/457-b1e0dbe9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。