Music's Gonna Set Me Free...
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RATING: 8/10

ウィスコンシン州出身の4人組新世代スラッシャーによる2作目。前作は古典的なスラッシュをベースとしながらも、決してレトロ指向に陥ることのない現代的な感性で解釈した力作でしたが、今作では早くも路線を変更。サウンドの重量感は大幅に増したものの、それと引き換えにスピード感は大きく後退し、加えてヴォーカルの歌の比重が強まる...という、多くのスラッシュ・バンドがPANTERA以降に大挙して辿った道のりを、2011年の今再び歩むかのような変化をみせています。というわけで、前作の路線を期待したファンはダーク、ヘヴィ&グルーヴィーというスラッシュ原理主義者にとってのネガティヴ・ファクター満載の1曲目"American Dreams"を聴いた時点で、「せっかく古き良きスラッシュがまた盛り上がってるのに、何もお前らがこんなこと演るこたねぇだろう」と肩を落とすことは必至でしょう。

しかし彼らが90年代のバンド達と決定的に違うのは時代が一回りしたのもさることながら、決してPANTERAの単なる模倣に陥るでもなく、また単にグルーヴの垂れ流しに終始するでもなく、リフ展開や曲構成を丹念に練り上げた痕跡が隅々まで窺えることでしょう。しかもそのリフがいちいちクールなものばかりだからこそ、こうした変化も説得力をもって響く。歌っている時のヴォーカルが時折バックの音に負けてしまっているのがもったいない気がしますが、個人的には“前作は良かったけどこれはこれでアリ”という次元を超え、終始突撃一辺倒でなくてもクールな音を作り出せる真の実力派であることを証明した1枚ではないかと思います。「何がなんでも速くなけりゃダメなんだーーっっっ!!!」という人には無理には薦めはしませんが。



 
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朝起きて何気なくBLABBERMOUTHをチェックしていたらふと飛び込んできた"ANGER AS ART Frontman On GARY MOORE's Death"という一文に思わず“えっ!?”と自分の目を疑い、そこから更に降りていくと今度は"THIN LIZZY Members Comment On GARY MOORE's Passing"の文字が。冗談だろ?と思いつつ更に下に降りていくと、BBCが「ゲイリー・ムーアが2月6日、スペインのホテルで死亡した。享年58歳」と報じた記事を見つけました。そしてオフィシャル・サイトでもゲイリーの死が公式に報告され、それが事実であることを受け入れなければならなくなりました。昨年のロニー・ジェイムズ・ディオや先日のフィル・ケネモアと違い、ここまでそのような気配など全く無かっただけに、近年やはり突如世を去ったザ・レヴ、ミーカ・テンクラやポール・グレイなどとも違った意味での大きなショックを受けました。

正直なところ僕はゲイリーの熱烈なファンというわけではありませんでしたが、それでも「Wild Frontier」は大好きなアルバムでよく聴いていましたし、SKID ROWCOLOSSEUM IITHIN LIZZYといったあたりから80年代のHR/HM期は勿論のこと、90年代以降のブルース期や一時のテクノロジー導入期に至るまで、振り返ってみるとゲイリーのキャリアはなんとなく一通りフォローしていた気がします。僕をそうさせたのも、どんな音楽性であろうとも常に熱いギターを聴かせてくれたからだと思います。そして、ある意味時代に流されていた70~80年代の音楽性から一転してブルースに転向して以降、周囲に何を言われようとも我が道を貫き続けた頑固一徹な姿勢も僕はリスペクトしていました。現在僕は地方在住で仕事もあり観に行けませんでしたが、僕がロックを聴くようになってから初めて日本にやって来た昨年の来日公演は今となっては本当に奇跡だったといえるかもしれません。その時はブルース・セットでしたが、そこで予告していたロック・セットでの来日が永遠に幻に終わってしまったのが本当に残念でなりません。これまで頑なに演奏することを拒んでいた80年代の曲を近年積極的にプレイしていたことで、ゲイリーが自身のキャリアを総括する時期に入りつつあることを示唆していましたが、まさか“その時”がこんな形で訪れてしまうとは...もし仮にブルースを演り続けていたとしても、58歳ならまだまだこれからといえる年齢だけに...。

Rest In Peace, Gary Moore...
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RATING: 9/10

2010年の私的ベスト・アルバム選で"Honorable Mentions"に選出した、日本のジャズ・ベーシストによる20年ぶり(!)の新作ということですが、この人については今作を店頭で見かけるまで全く知りませんでした。しかし“21世紀型マンドライヴ・テクノ・ジャズ”というキャッチに引かれて試聴したところ、その凄まじさにブッ飛んでしまった1枚です。

基本はツイン・ベース(濱瀬がフレットレス・ベースによるリード、もう一人がリズム的な役割)にドラム、シンセサイザーというユニークな編成で、全7曲中4曲で菊地成孔(Sax)が参加するという形をとっており、フリー・ジャズをベースとしながらもそこにSQUAREPUSHERAPHEX TWINAUTECHREあたりから影響されたと思しきエレクトロニカの要素を大々的に取り入れた、おおよそジャズというタームから想像されるスタイリッシュなイメージなど皆無の凄まじく暴力的なサウンドを展開していきます。曲によってはジャズのイディオムから逸脱した暗黒ヘヴィ・プログ(判り易く言えば「太陽と戦慄」期のKING CRIMSONあたりをもっと暴力的にしたような感じか)に通じる場面もあり、その手の音を好むリスナーにもアピールし得るものも感じられます。

全体的な質感は上記のエレクトロニカ系に通じるひたすら硬質なものですが、ウルトラ・ヘヴィなバスドラにアタックの強いスネアで疾走感を生み出すドラム、高速フィンガリングとスラッピングでボトムを支えつつ、時に猛烈なオブリガードを入れて周囲を煽るリズム・ベース、時にアンビエント、時にノイジーな音色で不穏な空気を醸すシンセによる無慈悲なまでに荒れ狂った音の中で、濱瀬が蠢くような音色でインプロヴィゼーションを繰り広げる(そこにサックスが絡んでさらにアヴァンギャルドになっていく)サウンドはフィジカルな躍動感に溢れ、生演奏ならではの緊迫感にひたすら引き込まれて離れられなくなる、途轍もない求心力を備えたアルバムといえるでしょう。ちなみに今作はタイトルの通りライヴ録音で、シーケンサーの類は一切使っていないらしいですが、曲が終わって拍手が聞こえるまでライヴだとは判らないほどの正確無比な演奏。これは生で観たらもっと凄いと感じられることでしょう。またリーダーの濱瀬氏は現在58歳。この歳にしてこれだけのアグレッシヴな感性を持っているというのが素晴らしいですね。

 
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