Music's Gonna Set Me Free...
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
derdian.jpg

RATING: 8/10

「春のクラシック・メタル祭り」第3弾はイタリアのメロディック・スピード・メタル・バンドによる3作目です。以前からそのクサメロぶりが一部で話題になっていたバンドですが、僕は前2作は未聴でした。しかし今作をCD店で試聴した瞬間、そのメロディの破壊力にやられて思わず買ってしまいました。

とにかくクサい、クサ過ぎる。特にイントロSEに続く"The Spell"はまるで日本人のために作ったのではないかと思ってしまうほどに全編に亘って日本人の琴線をつきまくる歌メロが次々に飛び出してくる。続く"Battleplan"ではRHAPSODY OF FIREを意識したと思しきアレンジが耳を引き、総じてクドいほどに大仰なシンフォニック・アレンジが見事なまでに歌メロとの相乗効果を挙げています。大半が速い曲というのも日本人にとってはポイント高いでしょう。ヴォーカルは線が細い典型的なB級ですが、これ以上巧くなると却って味が失われてしまうのではないかと思うほど、この音楽性にはドンズバといえます。この手の音楽を愛好する層を超えてアピールする次元には至っていませんが、この突き抜けたクサさが僕のような人間をも引きつけるのですから、これは紛れもない高品質のアルバムではないでしょうか。

 
blackjazz.jpg

RATING: 9/10

最近イーサーンの「After」にサックス奏者としてゲスト参加したJorgen Munkeby率いる、スウェーデンのディプレッシヴ・ブラック・メタル・バンドとは縁もゆかりもないノルウェーの5人組による通算5作目。過去の作品は未聴。当初はアコースティック・ジャズを演奏していたものの、その後メンバーのデス・メタル好きが反映されて現在の音楽性に辿り着いたということですが、いったいどうやったらジャズからこんな音に行き着くのかと思ってしまうほどにジャズの面影はほとんど消え去ってしまっており、デス、インダストリアル、ポスト・パンク、プログレなどをごちゃ混ぜにしてハイ・テンションで吐き出したかのようなカオティックな音像が全編で展開されており、冒頭からその驚異的なテンションの前にみるみるうちに引きずり込まれていきます。特にMESHUGGAH + SQUAREPUSHERと表現できる、圧殺リフとせわしなく動き回るビートが交錯する"Blackjazz Deathtrance"は圧巻としか言いようがありません。

今作ではラストに"21st Century Schizoid Man"の異常にノイジーな凶悪カヴァーを収録していますが、これは「'69年のKING CRIMSONが今存在していたら、きっとこんな音を出していただろう」という解釈も可能であり、彼らが今作で表現しているのはロックとジャズが渾然一体となった初期プログ・ロックのスピリットを現代の視点で解釈したものといえるかもしれません。マイク・ポートノイがこっそりチェックして年間アルバム・ベスト10にしれっと入れていそうなアルバムです。

 
wwoverthetop.jpg

RATING: 8.5/10

「春のクラシック・メタル祭り」の第2弾はLA出身ながら80年代初頭のNWOBHMへの憧憬を正面切って打ち出した音を鳴らす5人組による1stフルレンスです。昨年のEP「High Speed GTO」リリース後にジョン・レオン(B)以外の全員が脱退し、いきなりバンド存続の危機に立たされましたが、即座にバンドを再建してフル・アルバムのリリースに漕ぎ着けました。EPの時点では主にヴォーカル面でメロウな甘さが目立ちましたが、メンバー・チェンジにより安易な泣きの要素が排除され、MAIDENPRIEST直系の剛球一直線なスタイルに方向性が絞り込まれました。目新しさは皆無ですが、単なるノスタルジーに終わらせない熱さがストレートに伝わります。限定盤に収められたボーナス・カヴァーの選曲がCLOVEN HOOFというのがまた渋い。日本における伝統的なHM/HR原理主義者達に手放しで絶賛される光景が容易に想像できますが、そんなムードに対して完全に距離を置く僕も、このアルバムは素直に格好良いと思いました。昨年のSTEEL PANTHERもそうでしたが、バンドが本気でこういう音が好きだという想いがリアルに伝わってくるからであり、このイノセンスを次作以降どこまで維持できるか、それが今後のポイントといえそうです。
OneOfAKind.jpg

前回のBRAND Xに続いて、プログレから本格的にジャズを目指したドラマーの代表格であるビル・ブラッフォードが自身の名を冠して結成したバンド、BRUFORDの'79年リリースの2作目をご紹介します。

前作では元HATFIELD AND THE NORTHNATIONAL HEALTHのデイヴ・スチュアート(Key)が持ち込んだカンタベリー・スタイルが大勢を占めていましたが、この後U.K.結成~脱退を挟んで制作された本作には当然U.K.の延長線上にあるテクニカルなジャズ・ロック・サウンドも持ち込まれており、ブラッフォード以外のメンバーの見せ場も前作以上に増え、スリリングなテクニックのぶつかり合いとカンタベリーらしい叙情性/幻想性、フュージョン的な硬質な感触が高次元で融合した高い完成度が示されています。前作には女性ヴォーカリストのアネット・ピーコックが参加していましたが、その歌メロは奇怪なものであり、本作でさらに演奏重視に傾いたとなればさらにヴォーカルが入りこむ余地はないということで、本作は全編インストとなりましたが、このテンションの高さから見れば仕方がないように思います。また前作と本作にはアラン・ホールズワース(G)が参加していますが、本作ではそれまでの超絶技巧が抑えめであり、本作をもって脱退してしまうのは致し方ないといったところでしょうか。

バンドはホールズワースの後任としてジョン・クラークを迎えてライヴ盤と3作目をリリースした後解散、ブラッフォードは元YESのパトリック・モラーツ(Key)との共演を経て再結成KING CRIMSONに参加した後、本格的なジャズを追求すべく結成したEARTHWORKSを中心として活動してきましたが、60歳を目前に控えた2008年をもって音楽活動からの引退を表明しました。
de5.jpg

RATING: 8/10

3月は年度末ということもあって多忙だったため更新はわずか2回にとどまりましたが、今月からまたペースを上げられるようにしたいと思っています。

さて、この間に聴いていた音楽の中で、このブログでは殆ど取り上げることのないクラシック・メタルの新譜で感銘を受けたアルバムが続いたこともあり、今回から「春のクラシック・メタル祭り」として立て続けにこの系統の作品を取り上げていくことにします。最初にご紹介するのは新たにリッチー・レインボーという身も蓋もない芸名を名乗ることになったフレドリック・ノルドストローム(G)率いるDREAM EVILの5作目です。セカンド・ギタリストの交代や所属レーベルとの契約更新などもあって前作から3年半という長いスパンが空きましたが、王道すぎるほどに王道のHMスタイルがここにきてさらに確信的に強く打ち出された感があります。アルバム・タイトルや"Bang Your Head""The Ballad""といった曲名に象徴される判り易さ、ストロングさを前面に押し出した曲調、以前のソフトなイメージから一転してロブ・ハルフォードばりのスクリームを用いるなど骨太さを増したヴォーカルなど、クラシック・メタルの格好良さに徹底的にこだわった仕上がりといえるでしょう。

その反面、日本人好みのメロディックな側面が後退したことがここ日本では否定的に捉えられているようですが、僕にとってはこのぐらいストロングなほうが気持ち良かったりもします。前作はやや地味な感もありましたが、その停滞感を強烈なパワーで吹っ飛ばした快心の1枚と言いたいです。
cwotd.jpg

RATING: 7.5/10

DEATH/CONTROL DENIED/ICED EARTHのリチャード・クリスティ(Ds)が音頭をとり、元JUDAS PRIEST/ICED EARTHのティム・リッパー・オーウェンズ(Vo)、SADUS/DEATH etc.のスティーヴ・ディジョルジオ(B)、メタルコア系のプロデューサーとして知られるジェイソン・スーコフ(G)と結成したニュー・バンドのデビュー作。ダークなスラッシュ/パワー・メタルをベースにして、デス・メタルばりのブラスト・ビートを随所に取り入れたストロング・スタイルの音楽性は、ちょうどスラッシュを通過した"Painkiller"~90年代メタルを通過した"Jugulator"以降の流れに位置付けられそうな、デス・メタルからメタルコアを通過した正統派メタルともいえるでしょう。あちこちで言われているように各メンバーのパフォーマンスは文句なく素晴らしいといえるものですが、曲の速い遅いにかかわらず終始ハイ・テンションで圧倒し続けることもあり、曲ごとの印象が今一つ残りづらい(特に歌メロがキャッチーさに欠けるのは致命的)というのが正直なところです。演ろうとしていることは文句なしに買えるだけに、そこだけが本当に残念。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。