Music's Gonna Set Me Free...
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RATING: 6/10

かつては「BEAST FEAST」で来日時に凄まじい盛り上がりを見せたものの、トリップ・アイゼン(G)の逮捕以降その勢いは急速に衰え、前作「CANNIBAL」に至っては遂に日本盤リリースなしという事態にまで陥ったSTATIC-Xの2年ぶりの6作目。1曲目の"Lunatic"にデイヴ・ムステインがゲスト参加、いかにも彼らしいソロを披露しますが、その曲を含めて前半部があまりにフックが無さ過ぎるのが痛い。リフがつまらない上に肝心のデジタル・エフェクトも控え目で、ひたすら淡々と進む展開は聴き通すのが辛くもありますが、後半に入ってようやく勢いが出てきて何とか持ち直します。しかしそれも初期のアルバムに比べるとどうしても弱く、完全にクリエイティヴィティの袋小路に陥ってしまった感があります。既に確固たるファン・ベースを築いていることはジャケットでも判りますが、そこで示しているであろう威勢の良さがそのファン・ベースの中だけで完結してしまっているような印象です。今作も今のところ日本発売の予定はありませんが、これでは日本盤出なくても仕方ないでしょう。

なお、今作はiTunes Storeのみのボーナス・トラックとしてWHITESNAKE"Still Of The Night"(!)をカヴァーしていますが、バンドの音楽性に全く沿わない曲をなんとデジタル・アレンジもほとんど使うことなく完コピ。こんなに無意味なカヴァーを聴いたのは果たしていつ以来でしょうか。
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SAXON再発盤の3回目は前作からわずか8か月というハイペースで'80年10月にリリースされた3作目です。今回のボーナスは'82年のBBCセッション4曲、別ヴァージョン2曲、2009年リミックス・ヴァージョン2曲で、こちらもやはり'97年の再発時のボーナス曲とは一切かぶっていません。

前作の成功で暴走ドライヴィン路線に確信を得たバンドの勢いをそのまま反映した、シンプルなリフの反復で圧倒する"Heavy Metal Thunder"と男泣きのブルージーなギターが疾走するイントロの"To Hell And Back Again"の2曲でもう勝負はあったといえる、前作と肩を並べる傑作です。前作のR&R的なグルーヴ感、ドライヴ感はそのままに、よりHM的な疾走感を増量しており、すでに盛り上がりつつあったNWOBHMに呼応したかのような勢いの良さが光っています。ボーナス曲の中ではやはりリミックス2曲が聴きどころになると思いますが、オリジナル版のエコーをさっぱり取り除いて各パートの音がよりクリアに聞こえるようになっていますが、全体的な印象としてはそれほど激変したような感じではありません。

今回の再発CDのケース3枚を重ねるとSAXONの"S"ロゴが完成するようになっていますが、この3枚だけでは足りず、今後も第2弾、第3弾の再発がありそうです。「Power And The Glory」「Crusader」あたりまでは期待できそうですね。
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SAXON再発盤の第2回は勿論、'80年リリースの2作目(ちなみにオリジナル・リリース時の邦題は「暴走ドライヴィン」)です。個人的にも初めて聴いたSAXONのアルバムであり、非常に思い出深い1枚です。今回の再発でのボーナスはデモ2曲、シングルB面の"Stallions Of The Highway"のライヴ、'80年「モンスターズ・オブ・ロック」のライヴ5曲で、'97年に次作とのカップリングで再発された時のボーナスと一切かぶっていないのが凄いです。

何と言っても不滅の名曲"Motorcycle Man"の、1つのリフでひたすら押しまくり、サビで曲のタイトルを連呼するシンプル極まりない曲調が今作の何たるかを物語ります。前作で聴かれたドラマ性とポップさを排除し、ひたすら男臭いゴリ押しリフと突進するR&Rビートによる豪快な疾走感に焦点を絞り切ったスタイルが全面開花。それに加えて"747 (Strangers In The Night)"のイントロで聴ける、だだっ広い荒野を駆け抜ける光景を連想させるブルージーなギターが彼らの“バイカーズ・ロック”というパブリック・イメージを決定づけました。他にもMOTORHEAD"No Class"と双璧を成すハード・ブギ"Stand Up And Be Counted"など、キラー・チューン目白押しの本作をSAXONの最高傑作に挙げる人は今でも多いことでしょう。
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新作リリースに伴い、この2月にSAXONの初期3作が新規リマスター+ボーナス曲大量追加で再発と、ちょっとしたSAXON祭りの様相を呈していますが、ここからその再発盤の紹介をしていきます。まずは'79年リリースのデビュー作です。今回オリジナルの8曲に加え、前身のSON OF A BITCH時代のデモ5曲、'80年のBBCセッション5曲、シングルB面のライヴ1曲、'80年「モンスターズ・オブ・ロック」のライヴ3曲と実に14曲というデラックス・エディション並みのボーナスが追加され、それでいてミッド・プライスというお買い得極まりない内容です。

後のSAXONのイメージを決定づけるハード・ドライヴィンなメタル・チューンは数曲にとどまり、ドラマティックな展開で聴かせる曲と、SWEETあたりから受け継いだかと思しきポップな色合いを押し出した軽快な曲が混在しており、音楽性がまだ定まりきっていない印象を受けます。ドラマティックな展開といっても、どちらかというと唐突な印象のほうが先に立ってしまう感がありますが、一方個人的には本作で聴けるポップさに、また捨てがたい味があると感じます。それでも"Stallions Of The Highway""Backs To The Wall"のストレートなドライヴ感はやはり格別であり、ライヴでそれらの曲の反応に手応えを得たバンドは次作以降、そのストレートな路線に音楽性の焦点を定めていくことになります。やたら軽い音作りやジャケットも含めて、安っぽいという印象ばかりが取り沙汰される本作ですが、ここで示された音楽性は現在に至るまでずっとSAXONの中に生き続けていることを忘れてはいけません。
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昨年リリースのコンピレーション「This Comp Kills Fascists Vol.1」に参加、さらに先日AGORAPHOBIC NOSEBLEEDとのスプリットEPもリリースしたテキサス出身の3人組が2007年にリリースした1stアルバムのEaracheからの再発盤。確かにEaracheが出したがるのがよくわかるジャケットがすべてを物語る、速い、ウルサい、短いの3拍子揃ったオールドスクールなグラインド・コアですが、ベースレスの編成ながら高い音圧でクールなリフを刻むギターと、ブラストのみならず超高速のタム回しで隙間を埋めまくるドラムが現代的な重量感とスピード感を生みだしており、終始圧倒的なテンションをキープしたまま全20曲22分を一気に聴かせきる。久々に聴いたグラインド・コアらしいグラインド・コア。それ以上の言葉は要りません。
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このブログをまだライヴドアでやっていた2005年にラスト作となったFiel Larmをご紹介した日本のスラッシュ・メタル・バンドSHELLSHOCKが'89年にリリースした1stアルバムが初期音源をボーナスで追加して"Explosion Label Anthology"シリーズとしてSABBRABELLSJURASSIC JADEGROUND ZEROと共にキングレコードから再発されました。特に記載はされていませんがデジタル・リマスターされており、オリジナル盤と比べて音質が一気に向上しているのが嬉しい限りです。

メンバー・チェンジを重ねるごとにハードコアやインダストリアルなどを吸収してよりアグレッシヴかつアヴァンギャルドな音楽性へと発展した、当時としては世界的にみても稀有なバンドでしたが、今作の時点ではNWOBHM流れの硬派一徹スラッシュ・メタルであり、当時の日本のスラッシュ・バンドが英語の発音にどうしても難があったのに対し、このバンドはリーダーのAkira Itohのヴォーカルが線は細いもののパワーとキレがあり、日本人っぽさを感じさせなかったのが大きなアドヴァンテージだったといえるでしょう。リフと曲の出来も優れており、リマスター効果で更にそれを実感できるのが何よりも大きく、スラッシュ・リヴァイヴァルの今だからこそ聴いてほしい1枚です。

この再発盤ではバンドのヒストリーも掲載されていますが、なんと今年1月にAkira Itoh(Vo,G)、Masami "Die" Chiba(Vo,B)、Masaru Kitazawa(Ds)というトリオ編成で再結成され、ライヴ活動を開始したということです。これは何としてもアルバム作ってもらいたいものです。そして残ったカタログの再発も期待したいところです。




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これはいつかネタにしようと思っていたものですが、ようやく画像が見つかったので...。アメリカのブラック・メタル・バンドABIGAIL WILLIAMSのアルバム「In The Shadow Of A Thousand Suns」の日本盤が先日発売されましたが、なんとジャケットは単なるバンド・ショットに差し替え。しかもその写真は一部でそのルックスが話題になっている女性キーボーディストのアシュリー・エリオンをフロントに立てたもの。

これに限らず、地味なジャケットのアルバムは日本のレーベルが「こんなんじゃ売れねーよ」とダメ出しして日本盤のみ別ジャケットに差し替えてしまうケースが多いですが、エクストリーム・メタルでそんな事態になったのは今まで聞いたことがありません。最近では女性ヴォーカルのメタルコア系、IN THIS MOMENTTHE AGONISTのデビュー作などがそれに当たるのかもしれませんが、この2組のジャケットが確かに日本で売るにはやや地味だったのに対して、ABIGAIL~のコレに関してはオリジナル・ジャケットがさして地味というわけでもなく、差し替える理由はもはやエリオンのルックスしかないわけです。

HMVサイトのメタル部門は最近やたらと美人女性アーティストを猛烈にアピールする傾向がありますが、本来音そのものがすべてであり、硬派であるべきメタルがこんなことでいいのか、と僕は強く思ってしまうわけです。もちろん(男女限らず)メンバーのルックスが良いことに越したことはありませんが、それはあくまで二の次です。果たしてABIGAIL~の男性メンバー達は本当に日本盤をこのジャケットで出すことを許可したのか?
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