Music's Gonna Set Me Free...
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
bsred.jpg

RATING: 8.5/10

VISION OF DISORDERのティム・ウィリアムズ(Vo)とマイク・ケネディ(G)を擁するヘヴィ・ロック・バンドの2年ぶりの2作目。方向性は前作と同じく、ハードコアの切迫感とハード・ロックのグルーヴ感を融合した豪快なスタイルですが、前作に比べてアップ・テンポな曲が増えたことと、プロダクションがよりライヴ感を増したことで、ウィリアムズの怒りの咆哮と浮遊感のある歌唱がまるで水を得た魚のように冴え渡ってきた感があります。前作が持っていたリアリティはウィリアムズのヴォーカルに負うところが大きかったですが、今作では演奏のテンションの高さがそれに真っ向から張り合えるようになり、何よりもロックが本来持つべきプリミティヴなエナジーがここにきて全開になっているところが、正直なところ特筆すべきオリジナリティが皆無な今作にさらなるリアリティと生々しさをもたらしています。タイトル・トラックの冒頭で、スタジオ録音にもかかわらず"This song is called Red Harveeeest!!"と絶叫してしまうところがそれを端的に象徴しているといえるでしょう。
スポンサーサイト
dves.jpg

RATING: 8/10

先日ENUFF Z'NUFFの2代目ドラマーであるリッキー・ペアレントを癌で失うという悲劇に見舞われたドニー・ヴィーの新作ソロはZ'NUFFの名作2nd「STRENGTH」をアコースティックでセルフ・カヴァーしたもので、殆どの曲がギターとピアノだけの素朴な弾き語りスタイルにアレンジされており、リリース当時ヘア・メタルの悪しきイメージのために敬遠され、さらに時代の移り変わりに差し掛かっていたこともあって殆ど正当に評価されなかった「STRENGTH」の優れたメロディ・センスをアンプラグドという形で改めて世に問い直そうという意思もあるのかもしれませんが、ほぼ一発録りと思われる肩肘張らない演奏からはそのような大上段から構えたような雰囲気は感じられず、僕はそれ以上にしばしばTHE BEATLES直系(ちなみに今作には新たに"In My Life"のカヴァーを追加)といわれるメロディを歌うドニーの悪声ヴォーカルが当時のシーンでいかに唯一無二のものであったかということを再確認しました。ドニーにはZ'NUFFでもソロでもどちらでもいいですから、ずっとマイペースでいい歌を歌い続けてほしいですね。 
a7x.jpg

RATING: 8.5/10

メタルコアのフィールドから出てきたバンドとして最も商業的に成功してしまったが故に、賛否両論を受けることが宿命づけられたといえる2年ぶりの4作目。個人的には「ガンズの再来」とか日本盤オビの「世界で最も危険なロック・バンド」といった煽りがいけないような気がしていますが、ともかく音楽的には大ブレイクを果たした前作のメロディック・パワー・メタル路線を順当に受け継いでおり、前作の「やりたいことを何でもかんでもブチ込んだ」末の冗長さが大幅に改善されて曲ごとの焦点が絞られ、歌メロの更なる充実もあって聴き易くなった印象を受けます。しかし彼らの持ち味となった貪欲な雑食性は終盤に発揮されており、王道の熱血スピード・チューンで突き進みながらサビでいきなりヴォーカルにヴォコーダーがかかる(最近のわかりやすい例えでいえばPerfumeか)"Lost"、近年のMY CHEMICAL ROMANCEあたりがやりそうなシアトリカルかつポップな"A Little Piece Of Heaven"、思いっきりアメリカンなカントリー・バラード"Dear God"の3曲で周りに何を言われようとも、自分達のやりたいことを躊躇なくやりぬく姿勢を貫いています。その多様さが他ジャンルへの色眼遣いや売れ線と受け取られそうなものであることが今作への批判の対象となっているわけですが、個人的には曲の出来がどれも良いと思っているだけに、そのどこまでも意欲的な姿勢は絶対的に“買い”です。ともあれ、A7Xが今作でそのアイデンティティを完成させたことは間違いありません。
an.jpg

RATING: 9/10

UKの発狂エクストリーム・メタル・ユニットが傑作「ESCHATON」からわずか1年というハイ・ペース(さらにその間には別バンドMISTRESSの新作も出した!)でリリースした4作目。前作にシェイン・エンバリー(NAPALM DEATH)がゲスト参加(今作にも引き続き参加)した縁か、今作はNAPALM DEATH自身のレーベル、FETO Recordsからリリースされました。

前作でのノイズの嵐のような音像は幾分弱まり、その替わりにギター・サウンドの重量感が増し、ヴォーカルが絶叫一辺倒からメロディアスなサビを増量するなど表現のヴァリエーションを広げたことにより、前作までに比べると明らかに聴き易い方向へと変化していますが、どの曲にもクールなリフが満載されているのと、そのリフとグラインド・コア流れの前のめりに突進するビートとの絡みが奇跡的な格好良さを演出していることもあり、いくら聴き易くなろうと決してセルアウトした印象は与えず、むしろエクストリーム・メタルとしての普遍的な格好良さを獲得したと捉えたいところです。無論、持ち前の凶悪さも一切失われておらず(それはラストの"Castigation And Betrayal"で思い知らされるはず)、前作と何ら劣ることのない聴き応えを誇る力作といえるでしょう。
NB_1879.jpg

RATING: 6/10

前作「STABBING THE DRAMA」のレビューで、「次作は正念場」と記したSOILWORKの、その“正念場”となる7作目。前作は衝動性よりも先に頭で考えて作り込んだ印象が先に立ってしまった感がありましたが、今作でその課題をどう乗り越えるか...と思っていた矢先になんと曲作りのイニシアティヴを握っていたピーター・ウィッチャーズ(G)が脱退。さらなる袋小路に入り込みそうな不安を感じさせましたが、残念ながらその不安が的中してしまったような内容となりました。プロダクションはよりシャープに研ぎ澄まされ、必殺のヴォーカル・ワークの表現の幅もより広げられており、SOILWORK以外の何者でもないスタイルは堅持されていますが、前作の問題点となった「作り込み感が曲(リフ)が本来持つべきエキサイトメントを殺している」印象がウィッチャーズの脱退によりさらに大きなものとなっていまっています。今作に先立ってリリースされた、ウィッチャーズが指揮をとって制作されたNUCLEAR BLAST ALLSTARS「OUT OF THE DARK」にクールな曲が多数収められていたことが皮肉にもその思いを更に際立たせています。当然"Rejection Role""Figure Number Five"級のキラー・チューンも存在せず、ウィッチャーズの抜けた穴があまりにも大きすぎたこと、そして前作で一度失ってしまったものを取り戻すのが極めて困難であることを痛感させる結果となってしまいました。「鯉の争い、奪い合い!」はもはや遠い日の記憶となってしまうのか?
between_the_buried_an_me_-_colors.jpg

RATING: 9/10

ノースカロライナの5人組による、PANTERAQUEENCOUNTING CROWSDEPECHE MODEを同列でカヴァーするという離れ業をやってのけた「THE ANATOMY OF」を挟んでの2年ぶりの4作目。元々はニュースクール・ハードコア/メタルコアのフィールドから出てきたバンドでしたが、デビュー作の時点で既に他のバンドとは異なる、卓越したテクニックでプログレッシヴな曲展開をこなすブルータル・デスというべきオリジナリティを打ち出していました。作を重ねるごとにそのオリジナリティは強まり、前作「ALASKA」ではブルータル・デスとメジャーな歌メロの同居さえも成功させましたが、今作では持ち前のプログレ色を全面解放し、遂にプログ・メタルの領域まで突き抜けてきました。リリース前には1曲65分の超大作になるという情報もありましたが、届いた音は8つのチャプターがシームレスでつながるという体裁となっており、なんとか聴き易い形にはなりました。

なんといっても一瞬ジョン・レノンかと思うほどの寂寞感漂うイントロから一気に轟音ギターが被さり、不穏な旋律からそのままブラスト・ビートになだれ込むつかみが今作の何たるかを物語っているといえるでしょう。ここでは従前のブルータル・デス色は(依然中心を占めているとはいえ)もはや曲を構成する一要素でしかなく、DREAM THEATERっぽいアレンジが幅を利かせるようになりましたが(特に"Informal Gluttony"のイントロはモロに"Home"です)、近年のDTのようにあからさまな借り物的な印象を与えないのは、偏に前作までで培われた(そしてカヴァー・アルバムでも示された)雑多な音楽要素をまとめきるアレンジの巧さゆえに他なりません。随所で突拍子もなく飛び出すカントリーやジプシー・ミュージックなどのメロウなパートも決して浮いた印象を与えず、全編に渡って緊迫感を維持し続けます。展開も相当複雑な上に10分を超えるチャプターが3つもあるため、聴き通すのに相当の集中力を要しますが、それに値するだけのアルバムといえるでしょう。かつてDREAM THEATERが過去のプログレの先達にMETALLICAをはじめとするメタル色をブチ込んでプログ・メタルを作り上げたように、今作は過去のプログ・メタルの先達に現代エクストリーム・メタル色を加えてプログ・メタルを新たな次元に進めた記念すべき1枚といえるのではないでしょうか。極論を言ってしまえば、もはやDREAM THEATERに引導を渡せるのは彼らしかいないという気にもなります。現時点では日本発売の可能性がほぼゼロに近いのが残念な気もしますが。
arch.jpg

RATING: 8/10

前にも書きましたが、マイケル・アモットはインタビューで自らがガチガチのメタル原理主義者であることを臆することなく表明し(だからインタビュアーとも恐ろしいくらいに波長が合ってしまう)、時にファンに媚びるような発言をするところが個人的には気に入らなかったりするのですが、クリストファーの脱退~再加入を経て制作された7作目となる今作は、まさにマイケルの原理主義を集約したかのような仕上がりとなりました。

前2作ではソリッドでメカニカルなプロダクションを推し進め、「(前ヴォーカルの)ヨハン・リーヴァの影を消し去る路線を確立した」と僕は評しましたが、今作ではそこからあっさり一転して初期路線への揺り戻しが図られており、「BURNING BRIDGES」の攻撃性と「WAGES OF SIN」の洗練をミックスして今までになくキャッチーな泣きのツイン・ギターで一本筋を通した、ファンが求めるものとバンドが出そうとしている音が見事なまでに合致した、(特に日本における)メタル原理主義が許容するメロディック・デス/エクストリーム・メタルの最高峰ともいえる完成度が示されています。ここまで書くとなんだかけなしているように見えますが決してそんなことはなく、確かにメロディについては「狙い過ぎ」という声も出てきそうなほどですが、あざとさという点では1stや2ndのほうが遥かに上であり、今作の曲はすべてのメロディがあるべき位置に収まっており、素直に良いと思えます。特に"Intermezzo Liberte"はマイケルの名演のひとつといえる入魂のインストではないでしょうか。しかし個人的には、私的最高傑作の「BURNING~」の鬼気迫るテンションがいまひとつ足りないのと、先述の「ファンが求めるものとバンドが出そうとしている音が見事なまでに合致した」以上のものが表現されていなかったところに若干の物足りなさを感じました。それでも、今このバンドがBURRN!誌の表紙を飾ったというのは決して悪いことではないでしょう。
BDM_cover1.jpg

RATING: 8/10

昨年の「LOUD PARK」で壮絶極まりないライヴを披露しながら、「感じるものは何もなかった」とプロ意識のカケラもない論評で片づけられてしまったデトロイトのメロディック・デス・メタル・バンドの2年ぶりの3作目。イエテボリ・スタイルの叙情性とUSデスの肉食狂獣性を融合した前作の路線をさらにビルド・アップさせ、終始メロディアスなリフで激走しつつも全体的な質感はあくまでもドライでブルータルな印象が上回っており、ジャケットに象徴される90年代スウェッディシュ・デスへのリスペクトを大々的に表明しつつ、しっかり現代的な色合いも持ち合わせた理想的な1枚に仕上げてきました。ファストなリズムの上に立て続けにリフを詰め込み、さらにハイ・テンションなシャウトが乗っかる曲が連発されるため、曲自体はそんなに長くないのに焦点が絞り切れておらず、聴き終わった後にいま一つ印象に残りにくいという欠点もありますが、そんな中でミドル・パートを組み込むタイミングが絶妙。またライヴを観て大暴れしたいという気にさせてくれるパワーは相当なものです。ドラマーが昨年の来日時に叩いていたピエール・ラングロワから早くも元ALL THAT REMAINSのシャノン・ルーカスに交代していますが、彼も相当な凄腕。ドラマーはなかなか安定しませんが、常にハイ・レヴェルな人材を探してくる眼力ももっと評価されてもいいのではないでしょうか。
515PnUjAswL__AA240_.jpg

RATING: 8.5/10

EaracheSSSMUNICIPAL WASTEに続くスラッシュ・リヴァイヴァル・キャンペーン第3の刺客として送り込んだUK出身の4人組のデビュー作。先の2組がクロスオーヴァー・スタイルだったのに対し、こちらはMETALLICAあたりからのルーツを前面に打ち出したリアル・スラッシュ・メタルを貫いています。80年代にMETALLICAフォロワーと呼ばれたMORTAL SINSLAMMERを始め、XENTRIXや初期のOUTRAGEを思わせるところもあり、フレミング・ラスムッセンのプロデューサー起用はまさにドンズバ、この手の音を作らせたら右に出る者はいないといったところです。しかしヴォーカルだけはモロにトム・アラヤの影響丸出しで、それに引っ張られるかのようにスピーディな展開が多いところがいかにも2007年的です。正直目新しさはどこにもありませんし、現在の視点からすると派手さもさほどありませんが、スラッシュ・メタルの格好良さを生真面目に追求する姿勢に好感が持てる1枚です。
D70629_divi.jpg

RATING: 9.5/10

90年代メタルの礎を築いたFEAR FACTORYの音楽的イニシアティヴを握った存在ながら、人間関係の悪化によりバンドを追放された巨漢ギタリスト、ディーノ・カザレスの本格的な再始動となるニュー・バンドのデビュー作。僕にとってカザレスはダイムバッグ・ダレルと同様に「こんな音でクールなリフを弾いてみたい」と思わせてくれたギタリストでしたが、今作ではカザレスが自らフェイヴァリットに挙げるFFの名作2nd「DEMANUFACTURE」を彷彿とさせる殺戮リフと高速バス・ドラムのユニゾンによるマシーナリーなメタル・サウンドをよりストロングに進化させつつ、ブルータル・デスやメタルコアなどの色合いも取り込んだ(一部ではMESHUGGAHばりのポリリズムも聴ける)、90年代以降のエクストリーム・メタルの総括ともいえる凄まじく破壊的な音を作り上げています。

HATE ETERNAL等でその実力は証明済みのティム・ヤング(Ds)と殆ど無名の存在ながらパワフルなノーマル・ヴォイスで絶妙なキャッチーさを生み出すトミー・ヴェクスト(Vo)のパフォーマンスも素晴らしいですが、やはり主役はカザレスのFFに対する鬱憤と現代メタルのパイオニアとしての誇りを一気に解放したかの如き殺戮リフの嵐。大多数のファンがディーノ・カザレスという人物に期待するものがほぼ理想的な形で表現されているとともに、FFがカザレスを追い出すとともに失ったもののすべてがここにはあります。個人的には、速く、激しく、うるさい、ヘヴィ・メタルという音楽の醍醐味を余すところなく伝えきった傑作と言ってしまいましょう。
release_2_high.jpg

RATING: 7.5/10

フロリダ出身のメロディック・デス・メタル・バンドの2年ぶりの2作目。前作「FROM YOUR GRAVE」はアメリカのバンドとして本格的にメロディック・デスに取り組む姿勢が興味深かったものの、内容自体は90年代後半の北欧勢のチープな焼き直しという感が拭えませんでしたが、今作は路線こそ前作とほぼ同一ではありますがプロダクションが一気に図太さを増し、ある意味予想外といえるレヴェル・アップを果たしています。どの曲にもギター・ソロの泣きをじっくり聴かせるパートを配しており、ギター・プレイの自信の程を窺わせていますが(インスト曲まであり)、そのために全体に曲が長尺傾向となり、一気に聴かせきるだけの勢いに欠ける点が個人的にはやや残念ですが、リフの格好良さも含めて、前作を考えるとお釣りがくるほどの成長を示した拾い物的な1枚といえるでしょう。でも、7曲目が単なる4秒間の無音状態なのは何故?なお、"Into The Pit"TESTAMENTのカヴァーで、ここでもソロ・プレイの巧さが光ります。
gf

RATING: 9/10

オランダのデス・メタル・ゴッズの再結成第2弾となる2年ぶりの8作目。初期の攻撃性と中~後期のHR的グルーヴ感を融合してさらに凶暴化させた復活作「LA MUERTE」の路線を順当に進化させ、重量感、速さ、グルーヴのすべてがさらにビルド・アップされた、ストイックなまでに硬派なスタイルを貫いています。ミドル~スロー・パートの圧殺感から一気に猛ラッシュでブッ殺しにかかるかのようなブラストに転じるダイナミズムがより際立っており、それを彩るメロディアスではあるものの、決して安直な泣きに走らずに残忍さを演出するツイン・ギターとドスの効きまくった気合い入りまくりのデス・ヴォイスが全編に一本筋の通った緊迫感と殺気をもたらしています。その魅力が1曲に凝縮されたかのような9分の大作"Babylon's Whores"はまさに圧巻の一言。決して近年の若手ほどの派手さはないものの、そこらのブルータル・デスよりもよっぽどブルータルで、そこらのタフガイ・ハードコアよりもよっぽどタフでハードコアで極悪。前作にもまして聴き応え十分の力作でしょう。
6758CD_216.jpg

RATING: 7/10

EXHUMEDのマット・ハーヴェイ(Vo,G)が本業とは別にやっているレトロ・スラッシュ・バンドの8年ぶりの2作目。その前作「WE WILL DESTROY...YOU WILL OBEY!」はヨーロピアン・テイストの強い直球勝負のスタイルでしたが、今作ではそこから幅を広げて80年代スラッシュ全般にインスピレーションを求めた、METALLICASLAYEREXODUSTESTAMENTANTHRAXKREATORといった元ネタが一発で判るリフやソロで埋め尽くされています。前作でも一部にその傾向は表れていましたが、今作ではそれがより確信犯的に押し出されています。それが先達へのリスペクト、オマージュといえば聞こえはいいですが、今作に関してはいかにも昨今のスラッシュ・リヴァイヴァルの波に乗って出てきたぞと言わんばかりのあざとさばかりが鼻についてしまいます。同じレトロ・スラッシュでも先にレビューしたMERCILESS DEATHが良かったのはそのイノセントなバカっぷりが美しかったからであって、彼らの場合はそれよりも先に確信犯ぶりがモロに見えてしまうのがなんとも痛く、まだ前作のほうがイノセントだったと思えます。おまけに言えば今月のBURRN!誌に掲載されているインタビューもまた痛い(インタビュアーもインタビュアーだけに...)。期待は大きかっただけに、そこがちょっと残念。
61IRrinv9IL__AA240_.jpg

RATING: 8/10

デイヴィッド・シルヴェリア(Ds)が一時離脱したため、7曲でテリー・ボジオ、4曲でブルックス・ワッカーマン(ex.SUICIDAL TENDENCIES)、2曲でジョナサン・デイヴィス(Vo)自らがドラムを叩いて完成させた、アルバム・タイトル無しで勝負に出た1年半ぶりの8作目。アルバム毎に作風を微妙に変えてくるKORNとしては珍しく、今作の音楽性は問題作の呼び声が高かった前作「SEE YOU ON THE OTHER SIDE」の路線を引き継いだものですが、前作における"Twisted Transistor"のようなアッパーな曲は姿を消し、5作目「UNTOUCHABLES」に通じる耽美的なムードが全編を支配するものとなりました。

前作よりギターがマンキー・シェイファー1人となり、代わりにエフェクトやプログラミングを多用したアレンジが従来のKORNのスタイルと上手く噛み合わなかったこと(そしてギターが1人で無理に2人分の重さを出そうとしたこと)が前作を問題作たらしめたと僕は解釈していますが、今作はまず何よりも歌メロに重点が置かれており、アレンジ全体がそれを活かす方向で組み立てられたことにより(これはキーボードで参加した人物が全曲の作曲に関与したことも大きい)、はっきり言って聴き応えは前作を大きく凌ぎます。特にシングルとなった"Evolution"以降の充実ぶりは意外な驚きでした。表層的なヘヴィネスは前作よりも更に後退したため、初期しか認めないというファンには今作も受け入れがたいものになることは確実ですが、ヘッドがいなくなったということを自覚したKORNが新路線にさらなる確信を抱いたことを実感させる会心の1枚ではないでしょうか。
bhmt.jpg

RATING: 8.5/10

前作「DEMIGOD」を2005年の私的年間ベストで2位に挙げたポーランドのブルータル・ブラック・メタル・バンドの8作目。海外のサイトやミュージシャンの間でもその前作が好評を博したにもかかわらず、日本ではほとんど話題にならなかったのが寂しかったですが、今作でその過小評価は覆るのでしょうか。とりあえず演っていることは前作とほとんど一緒の、重量感と速さ、激烈さを突き詰めた上にドラマティックな構成を巧みに取り入れたものですが、荘厳かつエスニックなSEやギター・フレーズ、コーラスを増量したことにより全体のスケール感が増しており、先日今作とほぼ同時期に新作が出たNILEと大部分でイメージが被ってきたという印象です。長いキャリアが為せる安定感は流石のものですが、やはりちょっと聴いたところで前作と音像が似通っているせいか、個人的には前作を初めて聴いた時の衝撃には及ばなかったというところです。しかし今作がポッと出の並のバンドには到底作りえない、途轍もなくハイ・レヴェルな作品であることは間違いありません。"Inner Sanctum"にはNEVERMOREのウォーレル・デイン(Vo)がゲスト参加し、一発で彼と判る声で曲の印象度アップに貢献しています。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。