Music's Gonna Set Me Free...
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RATING: 8/10

オランダのスラッシュ/デス・メタル・バンドによる2年ぶりの復活第2弾となる6作目。現在OBSCURAにも参加しているイェロエン・ポール・テセリング(B)が復帰し、解散前のラスト作「Spheres」のメンツの3/4が揃った形となりました。

一気にデス・メタルへと振り切れた前作「Resurrection Macabre」のスタイルを引き継ぎつつも暴力性は幾分抑えられ、前作でも一部感じられたジャズ・ロック的なインタープレイが増量されたこともあり、前作を通過した上で「Spheres」のスタイルに再度挑戦しようという意思が窺えます。前作にはトニー・チョイが参加していましたが、今回テセリングが復帰したからこそこのスタイルでやってみようということなのでしょうか。というわけでヴォーカル・スタイルも前作のグロウル中心からエグい吐き声に戻されていますが、これがまた強烈。人生捨てたかのような変態ヴォイスにヴィブラートまで掛けるもんだから気色悪さがさらに倍増。知的な演奏と知性ゼロのヴォーカルとのコントラストがより鮮明に描き出され、ともすればやや地味になりかねないサウンドに強いインパクトを与えています。

 
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RATING: 8.5/10

LA出身のプログ・メタルコア・バンドが1stリリース後に「クラシック・ギターを勉強したい」という理由で脱退したA.J.ミネット(G)の復帰、さらにヴォーカルの交代というメンバー・チェンジを敢行しての3年ぶりの3作目。前作まではメタルコアというレッテルに加え、リリース元がHopeless Recordsということもあって日本のHR/HMファンの評価の俎上に乗る機会さえも与えられなかった感がありましたが、今作ではそれまでのハードコアな荒々しさが大幅に抑えらえた代わりに、前作ではやや希薄だったメタリックな重厚さが再び増量され、変拍子を多用した複雑な構成の上でクラシカルなメロディとギター・プレイ、ドラマティックな展開をじっくりと聴かせる路線に焦点が絞られています。特にオープニングの"Elegiac"から"Complex Terms"にかけての壮大なスケール感は絶品の一言。元FROM FIRST TO LASTのギタリストだったという新ヴォーカルはスクリーモ・スタイル主体だった前任者から一転してドスの効いたグロウルとシャウト中心であり、バックの音との相性は抜群。はっきり言って聴き応えは前2作を大きく凌ぎます。日本盤ボーナスのベートーヴェンの“月光”の14分に及ぶメタル・アレンジも、これがボーナスというのが勿体ないほどの見事なもの。もはやBETWEEN THE BURIED AND ME以降のエクストリーム・プログ・メタルとして聴かれるべき1枚です。



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震災の後しばらく更新を控え、Twitter中心でやってきましたが、ブログ本体も本格的に更新を再開します。よろしくお願いいたします。

再開一発目にご紹介するのはリリース前から話題となっていた、「となりのトトロ」や「崖の上のポニョ」といったスタジオジブリのアニメ映画に使用された曲をエクストリーム・メタル・カヴァーするという暴挙に出たアルバムです。音頭を取ったのはエットレ・リゴッティ(DISARMONIA MUNDI)で、彼のもとにDISARMONIA~、DESTRAGEBLOOD STAIN CHILDLIVING CORPSENEROARGENTOといったバンドが集い、さらに女性ヴォーカリストとしてハレルヤヨーコ(イギリスを中心に活動するシンガーらしいです)が参加しています。

曲はどれも一度は耳にしたものばかりですが、そのどれもが歌メロだけを残しつつ、原曲の持つイメージやニュアンスをまるっきり無視して突撃スラッシュ・ビート、デス・ヴォイス、高速シュレッド・ギター、ブレイクダウンを無意味なまでに圧倒的なスキルでやりたい放題ブチ込んだ激烈アレンジ大会の様相を呈しています。中には「何故そこにデス・ヴォイス入れる?」という場面もありますが、絶対歌詞の意味知らずに歌ってるだろ、というバカさ加減と演ってる側の100%マジっぷりのギャップが日本人にとっては面白い("さんぽ"というタイトルの曲を激烈スラッシュに改変したヴァージョンはその最たるものでしょう)。またBSCのソフィアとハレルヤヨーコのヴォーカルが(恐らく)意図的に抑揚を廃して平坦に歌っており、バックの音と微妙に乖離していることに不満を感じる評価もあるようですが、これは動画サイト上に多数アップされている初音ミク等のヴォーカロイド曲を意識した節も見受けられ、ヴォーカルすらもインストの一部として扱い、突き抜けたトランシーな爽快感を追求したところに個人的には潔さを感じました。中にはジョン・デンヴァーの"Country Road"や松任谷由実の"やさしさに包まれたなら"というアニメを前提に書かれたものではない曲もありますが、そんな曲でも一切遠慮のないブッ壊しっぷりが最高です。はたしてユーミン本人がコレ聴いたらどう思うでしょうか。

人によってはノヴェルティ・ソングにしかならないでしょうが、こんなどうしようもなくバカとしか思えないことをあくまで全力でプレイする演奏陣が生み出す格好良さは筆舌に尽くしがたく、この手のカヴァーものとしては近年稀に見るハイ・クオリティな代物といえるでしょう。一度コレ聴いてしまうともう安直なパンク・カヴァーなんて聴けなくなることでしょう。あくまで企画物なので私的年間ベスト10には入れませんが、"Honorable mensions"にはきっと入れることでしょう。ちなみに今作はスタジオジブリ公認(!)らしいですが、CDの帯にも堂々とジブリと書いてあるので、きっと本当なのでしょう。
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RATING: 8/10

ウィスコンシン州出身の4人組新世代スラッシャーによる2作目。前作は古典的なスラッシュをベースとしながらも、決してレトロ指向に陥ることのない現代的な感性で解釈した力作でしたが、今作では早くも路線を変更。サウンドの重量感は大幅に増したものの、それと引き換えにスピード感は大きく後退し、加えてヴォーカルの歌の比重が強まる...という、多くのスラッシュ・バンドがPANTERA以降に大挙して辿った道のりを、2011年の今再び歩むかのような変化をみせています。というわけで、前作の路線を期待したファンはダーク、ヘヴィ&グルーヴィーというスラッシュ原理主義者にとってのネガティヴ・ファクター満載の1曲目"American Dreams"を聴いた時点で、「せっかく古き良きスラッシュがまた盛り上がってるのに、何もお前らがこんなこと演るこたねぇだろう」と肩を落とすことは必至でしょう。

しかし彼らが90年代のバンド達と決定的に違うのは時代が一回りしたのもさることながら、決してPANTERAの単なる模倣に陥るでもなく、また単にグルーヴの垂れ流しに終始するでもなく、リフ展開や曲構成を丹念に練り上げた痕跡が隅々まで窺えることでしょう。しかもそのリフがいちいちクールなものばかりだからこそ、こうした変化も説得力をもって響く。歌っている時のヴォーカルが時折バックの音に負けてしまっているのがもったいない気がしますが、個人的には“前作は良かったけどこれはこれでアリ”という次元を超え、終始突撃一辺倒でなくてもクールな音を作り出せる真の実力派であることを証明した1枚ではないかと思います。「何がなんでも速くなけりゃダメなんだーーっっっ!!!」という人には無理には薦めはしませんが。



 
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RATING: 8/10

先日日本語字幕版が発売された「Get Thrashed」DVDのボーナス映像の中で「イギリスで一番のスラッシュ・バンド」と称賛されたONSLAUGHTの再結成第2弾となる3年ぶりの5作目。同じDVDではMUNICIPAL WASTEが3作目「In Search Of Sanity」が大好きだとコメントしていますが、日本では代表作に挙げられるあのアルバムはレコード会社の言いなりになって作られた異色作なわけで(勿論、あれはあれで出来は素晴らしいのですが)、あくまでONSLAUGHTはこちらが本道と言わんばかりにストレートなスラッシュにこだわった路線を貫いています。1st、2ndの流れにあるペンタグラムをモチーフにしたジャケットもカッコ良い。

楽曲的には前作の路線を踏襲し、速さのみで押しまくることなく緩急のバランスに気を遣った、至ってオーソドックスなスラッシュ・メタルといえるものですが、その中で特に強い印象を残すのがサイ・キーラーのヴォーカル。前作から狂的な色合いを一気に増し、線は細いものの気迫と殺気だけは満点という新たなスタイルを確立し、インスト陣がまるで彼の噛み付くかのようなシャウトやグロウルに引っ張られるかのように気合いの入った演奏を見せつける。そのため曲の速い遅いにかかわらず終始テンションが落ちないのが見事であり、若手には出せない味わいと即効性のあるエキサイトメントを両立させた、濃密な聴き応えを持った1枚となりました。本編は最初と最後がSEで実質8曲なので、買うならボーナス3曲入りの日本盤が良いでしょう。

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