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From BLABBERMOUTH.NET

スウェーデンのロック雑誌、その名も"Sweden Rock Magazine"というあまりにそのまんまの名前の雑誌が同誌読者の投票によるこの10年のベスト・アルバムTop10を発表しました。

01. IRON MAIDEN - "A Matter Of Life And Death"
02. IRON MAIDEN - "Dance Of Death"
03. GHOST - "Opus Eponymous"
04. METALLICA - "Death Magnetic"
05. IRON MAIDEN - "The Final Frontier"
06. AC/DC - "Black Ice"
07. WATAIN - "Lawless Darkness"
08. KISS - "Sonic Boom"
09. DISSECTION - "Reinkaos"
10. AVANTASIA - "The Metal Opera"


どうでしょう、このあまりにトチ狂ったランキング。上位5枚にMAIDENが3枚、そしてその間に割って入るのがGHOST。さらに下位には新旧リアル・ブラック・メタルのWATAINDISSECTION。とどめに10位が何故か(失礼)AVANTASIA。この結果には当のスティーヴ・ハリスも

「今までTop20やTop10に俺達のアルバムが何枚か入るってことはあったけど、ワンツーフィニッシュというのは無かったね。Top5に3枚も入るっていうのは凄いね」


とコメントしています。BLABBERMOUTHのコメント欄でも

「編集者はMAIDENファンに違いない。俺もMAIDENファンだけど、Top5に3枚っていうのはないよな」


とポストされるほどの反響をみせています。日本では00年代以降大作指向をひた走るMAIDENの評価は賛否両論分かれていますが、ライヴで真価を発揮し、それを享受する機会に恵まれた、欧米のメタルを取り巻く環境というものはやはり日本人にとっては羨ましい限りです。その意味でも、今年MAIDENの来日公演や「KABUTO METAL」が無くなってしまったのは(不可抗力とはいえ)残念としか言いようがありません。
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From BLABBERMOUTH.NET

KERRANG!誌がこの6月に創刊30周年を迎えるのを記念し、同誌読者の投票による「この30年間で最も影響力のあったロック・グループ」を発表しました。上位10組は以下の通りです。

01. METALLICA
02. GREEN DAY
03. IRON MAIDEN
04. SLIPKNOT
05. MY CHEMICAL ROMANCE
06. LINKIN PARK
07. BULLET FOR MY VALENTINE
08. BLINK 182
09. OZZY OSBOURNE
10. FOO FIGHTERS


この結果について、ラーズ・ウルリッヒ(METALLICA)は以下のコメントを寄せています。

KERRANG!METALLICAを“人生を変えたバンド”に選んでくれたというのは何だか妙な気分だね」
「俺は'81年の創刊号のことを思い出すよ。俺はNWOBHMにハマってしまい、イングランドに巡礼の旅に出た。国中どこ行くにも創刊号を肌身離さず持っていたよ」


そう語るほどにメタル一色だったこの雑誌も、30年の間にメタルだけでなく若者向けのロック全般を扱う内容に変わったことがこのランキングからもよくわかるでしょう。90年代以降何かと批判も多いこの雑誌ですが、細かい理屈抜きでただ音を感じて楽しめるバンドを扱うというスタイルだけは一貫してブレていないのではないでしょうか。
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RATING: 8/10

オランダのスラッシュ/デス・メタル・バンドによる2年ぶりの復活第2弾となる6作目。現在OBSCURAにも参加しているイェロエン・ポール・テセリング(B)が復帰し、解散前のラスト作「Spheres」のメンツの3/4が揃った形となりました。

一気にデス・メタルへと振り切れた前作「Resurrection Macabre」のスタイルを引き継ぎつつも暴力性は幾分抑えられ、前作でも一部感じられたジャズ・ロック的なインタープレイが増量されたこともあり、前作を通過した上で「Spheres」のスタイルに再度挑戦しようという意思が窺えます。前作にはトニー・チョイが参加していましたが、今回テセリングが復帰したからこそこのスタイルでやってみようということなのでしょうか。というわけでヴォーカル・スタイルも前作のグロウル中心からエグい吐き声に戻されていますが、これがまた強烈。人生捨てたかのような変態ヴォイスにヴィブラートまで掛けるもんだから気色悪さがさらに倍増。知的な演奏と知性ゼロのヴォーカルとのコントラストがより鮮明に描き出され、ともすればやや地味になりかねないサウンドに強いインパクトを与えています。

 
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RATING: 8.5/10

LA出身のプログ・メタルコア・バンドが1stリリース後に「クラシック・ギターを勉強したい」という理由で脱退したA.J.ミネット(G)の復帰、さらにヴォーカルの交代というメンバー・チェンジを敢行しての3年ぶりの3作目。前作まではメタルコアというレッテルに加え、リリース元がHopeless Recordsということもあって日本のHR/HMファンの評価の俎上に乗る機会さえも与えられなかった感がありましたが、今作ではそれまでのハードコアな荒々しさが大幅に抑えらえた代わりに、前作ではやや希薄だったメタリックな重厚さが再び増量され、変拍子を多用した複雑な構成の上でクラシカルなメロディとギター・プレイ、ドラマティックな展開をじっくりと聴かせる路線に焦点が絞られています。特にオープニングの"Elegiac"から"Complex Terms"にかけての壮大なスケール感は絶品の一言。元FROM FIRST TO LASTのギタリストだったという新ヴォーカルはスクリーモ・スタイル主体だった前任者から一転してドスの効いたグロウルとシャウト中心であり、バックの音との相性は抜群。はっきり言って聴き応えは前2作を大きく凌ぎます。日本盤ボーナスのベートーヴェンの“月光”の14分に及ぶメタル・アレンジも、これがボーナスというのが勿体ないほどの見事なもの。もはやBETWEEN THE BURIED AND ME以降のエクストリーム・プログ・メタルとして聴かれるべき1枚です。



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震災の後しばらく更新を控え、Twitter中心でやってきましたが、ブログ本体も本格的に更新を再開します。よろしくお願いいたします。

再開一発目にご紹介するのはリリース前から話題となっていた、「となりのトトロ」や「崖の上のポニョ」といったスタジオジブリのアニメ映画に使用された曲をエクストリーム・メタル・カヴァーするという暴挙に出たアルバムです。音頭を取ったのはエットレ・リゴッティ(DISARMONIA MUNDI)で、彼のもとにDISARMONIA~、DESTRAGEBLOOD STAIN CHILDLIVING CORPSENEROARGENTOといったバンドが集い、さらに女性ヴォーカリストとしてハレルヤヨーコ(イギリスを中心に活動するシンガーらしいです)が参加しています。

曲はどれも一度は耳にしたものばかりですが、そのどれもが歌メロだけを残しつつ、原曲の持つイメージやニュアンスをまるっきり無視して突撃スラッシュ・ビート、デス・ヴォイス、高速シュレッド・ギター、ブレイクダウンを無意味なまでに圧倒的なスキルでやりたい放題ブチ込んだ激烈アレンジ大会の様相を呈しています。中には「何故そこにデス・ヴォイス入れる?」という場面もありますが、絶対歌詞の意味知らずに歌ってるだろ、というバカさ加減と演ってる側の100%マジっぷりのギャップが日本人にとっては面白い("さんぽ"というタイトルの曲を激烈スラッシュに改変したヴァージョンはその最たるものでしょう)。またBSCのソフィアとハレルヤヨーコのヴォーカルが(恐らく)意図的に抑揚を廃して平坦に歌っており、バックの音と微妙に乖離していることに不満を感じる評価もあるようですが、これは動画サイト上に多数アップされている初音ミク等のヴォーカロイド曲を意識した節も見受けられ、ヴォーカルすらもインストの一部として扱い、突き抜けたトランシーな爽快感を追求したところに個人的には潔さを感じました。中にはジョン・デンヴァーの"Country Road"や松任谷由実の"やさしさに包まれたなら"というアニメを前提に書かれたものではない曲もありますが、そんな曲でも一切遠慮のないブッ壊しっぷりが最高です。はたしてユーミン本人がコレ聴いたらどう思うでしょうか。

人によってはノヴェルティ・ソングにしかならないでしょうが、こんなどうしようもなくバカとしか思えないことをあくまで全力でプレイする演奏陣が生み出す格好良さは筆舌に尽くしがたく、この手のカヴァーものとしては近年稀に見るハイ・クオリティな代物といえるでしょう。一度コレ聴いてしまうともう安直なパンク・カヴァーなんて聴けなくなることでしょう。あくまで企画物なので私的年間ベスト10には入れませんが、"Honorable mensions"にはきっと入れることでしょう。ちなみに今作はスタジオジブリ公認(!)らしいですが、CDの帯にも堂々とジブリと書いてあるので、きっと本当なのでしょう。
東北地方太平洋沖地震の発生から2日経ちました。
Twitterでも触れた通り僕は現在茨城県に在住しており、
地震の発生した瞬間は当然仕事中でしたが、徐々に揺れが大きくなっていくにつれて、
正直言ってこのまま死ぬんじゃないかと思うほどの恐怖を感じました。
幸いにして僕の住んでいる地域では被害は最小限に食い止められ、
停電もその日の23時頃にはほぼ復旧し、そこでなんとか自宅に帰りましたが、
家は奇跡的に殆ど無傷で済んでいました。
しかしながら、ライフラインの確保は日が経つにつれて徐々に困難な状況になってきており、
営業しているコンビニでは食料や飲料水はほぼ完売、
ガソリンスタンドでもガソリン売り切れという事態に突入しています。
そしてこれを書いている今も、まだ余震が起きているという状況です。

これまで何度も大地震はニュースで目にしてきたわけですが、
いざ自分がその当事者となって、初めてその恐怖と被害者の方々の心情を肌で実感することになりました。
今日はIRON MAIDENの来日公演に行く予定でしたが、やはり中止となりました。
仮に決行されたとしても、それどころじゃないとして行かなかったと思います。
そんな中で嬉しかったのは、Twitter上で"#prayforjapan"というハッシュタグのもと、
世界中から日本を励ますメッセージが寄せられたことであり、
僕はLAMB OF GODで初めてそのタグの存在を知りましたが、
さして日本に特別な思い入れがなさそうなL.O.G.のようなバンドまでが日本のことを気にかけてくれていると知り、目頭が熱くなりました。

とりあえず僕は無事で済みましたが、
それ以上に被災された方々のことを思うと心が痛み仕方がありません。
元々更新が遅い当ブログではありますが、当面の間音楽に関する話題は差し控えようと思います。
そして、微力ながら自分にできることを考えていきたいと思います。

最後になりましたが、被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
そして、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。
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RATING: 8/10

ウィスコンシン州出身の4人組新世代スラッシャーによる2作目。前作は古典的なスラッシュをベースとしながらも、決してレトロ指向に陥ることのない現代的な感性で解釈した力作でしたが、今作では早くも路線を変更。サウンドの重量感は大幅に増したものの、それと引き換えにスピード感は大きく後退し、加えてヴォーカルの歌の比重が強まる...という、多くのスラッシュ・バンドがPANTERA以降に大挙して辿った道のりを、2011年の今再び歩むかのような変化をみせています。というわけで、前作の路線を期待したファンはダーク、ヘヴィ&グルーヴィーというスラッシュ原理主義者にとってのネガティヴ・ファクター満載の1曲目"American Dreams"を聴いた時点で、「せっかく古き良きスラッシュがまた盛り上がってるのに、何もお前らがこんなこと演るこたねぇだろう」と肩を落とすことは必至でしょう。

しかし彼らが90年代のバンド達と決定的に違うのは時代が一回りしたのもさることながら、決してPANTERAの単なる模倣に陥るでもなく、また単にグルーヴの垂れ流しに終始するでもなく、リフ展開や曲構成を丹念に練り上げた痕跡が隅々まで窺えることでしょう。しかもそのリフがいちいちクールなものばかりだからこそ、こうした変化も説得力をもって響く。歌っている時のヴォーカルが時折バックの音に負けてしまっているのがもったいない気がしますが、個人的には“前作は良かったけどこれはこれでアリ”という次元を超え、終始突撃一辺倒でなくてもクールな音を作り出せる真の実力派であることを証明した1枚ではないかと思います。「何がなんでも速くなけりゃダメなんだーーっっっ!!!」という人には無理には薦めはしませんが。



 
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朝起きて何気なくBLABBERMOUTHをチェックしていたらふと飛び込んできた"ANGER AS ART Frontman On GARY MOORE's Death"という一文に思わず“えっ!?”と自分の目を疑い、そこから更に降りていくと今度は"THIN LIZZY Members Comment On GARY MOORE's Passing"の文字が。冗談だろ?と思いつつ更に下に降りていくと、BBCが「ゲイリー・ムーアが2月6日、スペインのホテルで死亡した。享年58歳」と報じた記事を見つけました。そしてオフィシャル・サイトでもゲイリーの死が公式に報告され、それが事実であることを受け入れなければならなくなりました。昨年のロニー・ジェイムズ・ディオや先日のフィル・ケネモアと違い、ここまでそのような気配など全く無かっただけに、近年やはり突如世を去ったザ・レヴ、ミーカ・テンクラやポール・グレイなどとも違った意味での大きなショックを受けました。

正直なところ僕はゲイリーの熱烈なファンというわけではありませんでしたが、それでも「Wild Frontier」は大好きなアルバムでよく聴いていましたし、SKID ROWCOLOSSEUM IITHIN LIZZYといったあたりから80年代のHR/HM期は勿論のこと、90年代以降のブルース期や一時のテクノロジー導入期に至るまで、振り返ってみるとゲイリーのキャリアはなんとなく一通りフォローしていた気がします。僕をそうさせたのも、どんな音楽性であろうとも常に熱いギターを聴かせてくれたからだと思います。そして、ある意味時代に流されていた70~80年代の音楽性から一転してブルースに転向して以降、周囲に何を言われようとも我が道を貫き続けた頑固一徹な姿勢も僕はリスペクトしていました。現在僕は地方在住で仕事もあり観に行けませんでしたが、僕がロックを聴くようになってから初めて日本にやって来た昨年の来日公演は今となっては本当に奇跡だったといえるかもしれません。その時はブルース・セットでしたが、そこで予告していたロック・セットでの来日が永遠に幻に終わってしまったのが本当に残念でなりません。これまで頑なに演奏することを拒んでいた80年代の曲を近年積極的にプレイしていたことで、ゲイリーが自身のキャリアを総括する時期に入りつつあることを示唆していましたが、まさか“その時”がこんな形で訪れてしまうとは...もし仮にブルースを演り続けていたとしても、58歳ならまだまだこれからといえる年齢だけに...。

Rest In Peace, Gary Moore...
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RATING: 9/10

2010年の私的ベスト・アルバム選で"Honorable Mentions"に選出した、日本のジャズ・ベーシストによる20年ぶり(!)の新作ということですが、この人については今作を店頭で見かけるまで全く知りませんでした。しかし“21世紀型マンドライヴ・テクノ・ジャズ”というキャッチに引かれて試聴したところ、その凄まじさにブッ飛んでしまった1枚です。

基本はツイン・ベース(濱瀬がフレットレス・ベースによるリード、もう一人がリズム的な役割)にドラム、シンセサイザーというユニークな編成で、全7曲中4曲で菊地成孔(Sax)が参加するという形をとっており、フリー・ジャズをベースとしながらもそこにSQUAREPUSHERAPHEX TWINAUTECHREあたりから影響されたと思しきエレクトロニカの要素を大々的に取り入れた、おおよそジャズというタームから想像されるスタイリッシュなイメージなど皆無の凄まじく暴力的なサウンドを展開していきます。曲によってはジャズのイディオムから逸脱した暗黒ヘヴィ・プログ(判り易く言えば「太陽と戦慄」期のKING CRIMSONあたりをもっと暴力的にしたような感じか)に通じる場面もあり、その手の音を好むリスナーにもアピールし得るものも感じられます。

全体的な質感は上記のエレクトロニカ系に通じるひたすら硬質なものですが、ウルトラ・ヘヴィなバスドラにアタックの強いスネアで疾走感を生み出すドラム、高速フィンガリングとスラッピングでボトムを支えつつ、時に猛烈なオブリガードを入れて周囲を煽るリズム・ベース、時にアンビエント、時にノイジーな音色で不穏な空気を醸すシンセによる無慈悲なまでに荒れ狂った音の中で、濱瀬が蠢くような音色でインプロヴィゼーションを繰り広げる(そこにサックスが絡んでさらにアヴァンギャルドになっていく)サウンドはフィジカルな躍動感に溢れ、生演奏ならではの緊迫感にひたすら引き込まれて離れられなくなる、途轍もない求心力を備えたアルバムといえるでしょう。ちなみに今作はタイトルの通りライヴ録音で、シーケンサーの類は一切使っていないらしいですが、曲が終わって拍手が聞こえるまでライヴだとは判らないほどの正確無比な演奏。これは生で観たらもっと凄いと感じられることでしょう。またリーダーの濱瀬氏は現在58歳。この歳にしてこれだけのアグレッシヴな感性を持っているというのが素晴らしいですね。

 
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RATING: 8/10

先日日本語字幕版が発売された「Get Thrashed」DVDのボーナス映像の中で「イギリスで一番のスラッシュ・バンド」と称賛されたONSLAUGHTの再結成第2弾となる3年ぶりの5作目。同じDVDではMUNICIPAL WASTEが3作目「In Search Of Sanity」が大好きだとコメントしていますが、日本では代表作に挙げられるあのアルバムはレコード会社の言いなりになって作られた異色作なわけで(勿論、あれはあれで出来は素晴らしいのですが)、あくまでONSLAUGHTはこちらが本道と言わんばかりにストレートなスラッシュにこだわった路線を貫いています。1st、2ndの流れにあるペンタグラムをモチーフにしたジャケットもカッコ良い。

楽曲的には前作の路線を踏襲し、速さのみで押しまくることなく緩急のバランスに気を遣った、至ってオーソドックスなスラッシュ・メタルといえるものですが、その中で特に強い印象を残すのがサイ・キーラーのヴォーカル。前作から狂的な色合いを一気に増し、線は細いものの気迫と殺気だけは満点という新たなスタイルを確立し、インスト陣がまるで彼の噛み付くかのようなシャウトやグロウルに引っ張られるかのように気合いの入った演奏を見せつける。そのため曲の速い遅いにかかわらず終始テンションが落ちないのが見事であり、若手には出せない味わいと即効性のあるエキサイトメントを両立させた、濃密な聴き応えを持った1枚となりました。本編は最初と最後がSEで実質8曲なので、買うならボーナス3曲入りの日本盤が良いでしょう。

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From mikeportnoy.com

AVENGED SEVENFOLDとの活動終了などもあってか?発表が遅れていたマイク・ポートノイの2010年ベスト・アルバム10枚(順不同)がようやく発表されました。

01. Alpha Rev - New Morning
02. The Pineapple Thief - Someone Here Is Missing
03. Karnivool - Sound Awake
04. Periphery
05. Taylor Hawkins and the Coattail Riders - Red Light Fever
06. Shining - Blackjazz
07. Pain Of Salvation - Road Salt One
08. Slash
09. Deftones - Diamond Eyes
10. Spock's Beard - X

And of course:
--- Transatlantic - Whirld Tour 2010
--- Avenged Sevenfold - Nightmare

 
ここで異彩を放っているALPHA REVは僕は未聴ですが、COLDPLAY系の美旋律ロック・バンドだそうで、日本盤発売時に「とくダネ」で小倉さんが紹介していたということです。なお、その日本盤はここに掲載しているオリジナル・ジャケットからバンド・ショットを用いたものに差し替えられています。もういい加減やめませんかね、地味だからって日本盤だけ勝手にジャケット変更するのは。

で...やっぱり入れてましたね、SHININGを。相変わらず判り易いですね、この人は。
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新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、2011年1発目のエントリーはUKの「Metal Hammer」誌が選ぶ2011年ベスト・アルバムです(2011年1月号掲載)。誌面では50位まで発表されていますが、ここではTop10をご紹介します。

01. IRON MAIDEN "The Final Frontier"
02. ALTER BRIDGE "III"
03. DEFTONES "Diamond Eyes"
04. KILLING JOKE "Absolute Dissent"
05. AIRBOURNE "No Guts. No Glory."
06. TRIPTYKON "Eparistera Daimones"
07. SLASH "Slash"
08. CATHEDRAL "The Guessing Game"
09. PARKWAY DRIVE "Deep Blue"
10. CANCER BATS "Bears, Mayors, Scraps & Bones"


英米でのMAIDENが再び黄金期に入ったことを証明するかのようにここにきてダメ押しで1位をゲット。DEFTONESTRIPTYKONらと鎬を削る“2010年の顔”争いから一歩抜きんでた感があります。またALTER BRIDGEがここで2位に入り、マイルス・ケネディがスラッシュ効果で大きく名を上げたことを実証する結果となりました。
いよいよ本年最後のエントリー、年間ベストアルバムTop10をご紹介します。

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10. OVERKILL "Ironbound"
今年のヴェテラン・スラッシュ勢の中でも、史上最もスラッシーな作りになったことに驚いた1枚。

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09. SIGH "Scenes From Hell"
前作の流れを汲みつつ、一気に退廃的な路線に移行することに成功した唯一無二の1枚。

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08. IHSAHN "After"
孤高のプログレッシヴ・ブラック・メタルを深化させた1枚。

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07. BRAIN DRILL "Quantum Catastrophe"
もはや曲の違いがどうこうというよりは、テクノなどと同様にひたすら激音の洪水を体感すべき1枚。

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06. AVENGED SEVENFOLD "Nightmare"
悲劇から這い上がったスピリットの強さに痺れた1枚。新ドラマー探しは難航しそうですが、彼らならきっとやってくれるはず。

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05. MY CHEMICAL ROMANCE "Danger Days: The True Lives Of The Fabulous Killjoys"
大成功した前作の路線をいったん完結させ、新たなる時代の語り部、悩めるキッズを救う役割としての立ち位置を引き受ける決意が漲る1枚。

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04. DESTRAGE "The King Is Fat'N'Old"
デスラッシュに大胆にミクスチャー色を取り入れてオリジナリティの確立に成功した、理屈抜きに体が動く1枚。

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03. SHINING "Blackjazz"
エクストリーム・プログ・ジャズ・ロックとして揺るぎない地位を築くことになりそうな、今後の展開にも期待したくなる1枚。

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02. CATHEDRAL "The Guessing Game"
ブリティッシュ・ロックの傘の下で語られる音楽の要素を目いっぱい詰め込んだ、オールド・ファンなら思わずニヤリ、若いファンにはルーツ探究のきっかけとなってほしい一大ロック絵巻。

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01. FEAR FACTORY "Mechanize"
単なる復活作という次元を大きく超えた、キラー・チューン満載の1枚。来日公演はアレでしたが、それで今作への評価が揺らぐことは一切ありません。文句なし。

(Honorable Mentions)
ATHEIST "Jupiter"
THE BREATHING PROCESS "Odessey (Un)Dead"
CRADLE OF FILTH "Darkly, Darkly Venus Aversa"
EXODUS "Exhibit B: The Human Condition"
濱瀬元彦E.L.F ENSEMBLE & 菊地成孔 "The End Of Legal Fiction Live At JZ Brat"
HOLY GRAIL "Crisis In Utopia"
KILL THE CLIENT "Set For Extinction"
PERIPHERY "Periphery"
SADIST "Season In Silence"
SEVENDUST "Cold Day Memory"


今年は多忙な時期が続いて更新頻度がさらに落ち、レビューがあまりできなかったのが心残りですが、それでも良い作品を多く聴けてよかった気がします。それでは、今年1年ありがとうございました。来年もよろしくお願い申し上げます。
私的年間ベスト10の2日目は楽曲編です。今年も順不同でアーティスト名のアルファベット順に並べ、明日発表のアルバム編から漏れた作品からの曲を優先してセレクトしました。

ANNIHILATOR "Coward"
バンド史上最も激烈なスラッシュに進みながらも、やはり全体的な質感はクールというアルバムの特徴を最も端的に捉えた1曲。

APOCALYPTICA "Not Strong Enough"
個人的に何気に好きなブレント・スミスの熱唱が見事ハマった、APOCALYPTICAがゲスト参加したSHINEDOWNの曲とも言えそうな曲。それだけスミスの存在感が大きいということか。

FEAR FACTORY "Fear Campaign"
キラー・チューン目白押しのアルバムの中でも特にキラーなリフを持つ曲。来日時に演らなかったのがとにもかくにも残念。

ILL NINO "The Art Of War"
Victoryに移籍するというまさかの展開をみせた新作の中でも特にギターの格好良さが光った1曲。

MY CHEMICAL ROMANCE "Na Na Na (Na Na Na Na Na Na Na Na Na)
今の時代にこれだけベタなロック・アンセムを書ける勇気に対して、改めて彼らをリスペクトしたいという気持ちにさせてくれた1曲。

OZZY OSBOURNE "Let It Die"
良くも悪くも産業メタルとしか言いようがなかった新作の中でも、オープニングを飾るこの曲は産業云々という形容を抜きにしたくなる格好良さがありました。

PENDULUM "Self Vs Self (Feat. IN FLAMES)"
UKのドラムン・ベース・アクトがIN FLAMESと合体するという予想外の展開を見せた曲ですが、IN FLAMESが実に“らしさ”を出しまくっていたのが面白かったです。

SEVENDUST "Splinter"
起死回生の1枚だった新作のアグレッシヴなスタイルを象徴する1曲。

SHINING "Blackjazz Deathtrance"
レビューのところでも書いた、MESHUGGAH + SQUAREPUSHERというべき怒涛のリズムの嵐に圧倒される1曲。

SUICIDAL ANGELS "Violent Abuse"
モロにSLAYERへのオマージュといえるヴォーカルの節回しが微笑ましかった1曲。
さて、ここから3日間にわたって私的年間ベストを発表します。まずは再発編からです。例年同様、選出基準は再発が熱望されていたものは勿論、ボートラなどの付加価値をつけたもの、入手困難だったものを優先し、以前から再発されていた作品の単なる紙ジャケ化や高音質CD化は外しています。なお、今年から順位はカウントダウン形式で発表することとしました。

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10. DEEP PURPLE "Deepest Purple (30th Anniversary Edition)"
ベスト・アルバムがデラックス・エディション化されるというありえなさに感銘を受けて10位に選出。オリジナルに第1期と第4期の楽曲を追加した他、秘蔵映像も含むDVDをプラスし、音と映像の両面からPURPLEの魅力をコンパクトに味わえます。

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09. FACES "Ooh La La"
変形ギミック・ジャケットを見事再現してみせた、最も紙ジャケ化が熱望されていた作品ですが、思ったほど売れ行きが鈍かったのは値段が高かったから?

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08. SANCTUARY "Refuge Denied/Into The Mirror Black"
今年再結成を果たしたパワー・メタル・バンドの2作品をカップリングしてリマスター再発。長いこと廃盤が続いていただけに、この再発はまさしく快挙。

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07. HUMBLE PIE "In Concert"
73年の来日公演の直前に行われたライヴのラジオ放送用音源を収めたもの。このライブ自体を収めたものはタイトル、フォーマット違いでいくつも出ていましたが、いずれもオリジナル通りではなかったため、こうして完全版としてSHM-CD化されたのは嬉しい限りです。

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06. THUNDER "Behind Closed Doors (Expanded Edition)"
名曲"River Of Pain"を含む3作目にシングルB面曲や"In A Broken Dream"等のカヴァー曲を追加してリマスター再発。EMIは今年本作の他BBCセッションの6枚組ボックスもリリースし、THUNDERをクラシック・ロックとして後世に語り継ぐ動きをみせていますが、これは彼らをリアルタイムでサポートできなかったことに対する罪滅ぼしとしか思えないのは僕だけでしょうか。

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05. MILES DAVIS "Bitches Brew (Legacy Edition)"
エレクトリック・マイルスの最重要作品の発売40周年記念盤。目玉は日本盤および限定スペシャル・ボックスのみに収められた未発表ライヴCD。オープニングの"Directions"の混沌と緊迫感は完全にジャズ・ロックとしか言いようがありません。世に出てくれて本当によかったです。

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04. THIN LIZZY "Vagabonds Of The Western World (Deluxe Edition)"
ずっと発売が予定されながら延期が続いていたDecca時代の3作が遂に再発。その中でも白眉はやはり2枚組でボーナスを大量追加した3作目。ゲイリー・ムーアが一瞬だけ在籍した時期のテイクもあり、資料価値も十分。

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03. BLACK SABBATH "Mob Rules (Deluxe Edition)"
超限定だった"Live At Hammersmith Odeon"をボーナスで追加した。本作の価値はこれに尽きるでしょう。SABBATHではこの後"Seventh Star""The Eternal Idol"もデラックス化。来年には"Dehumanizer"もデラックス化されますが、やはりトニー・マーティン時代の作品も早いところ再発してほしいところです。

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02. PANTERA "Cowboys From Hell (20th Anniversary Edition)"
シングル、EP収録のライヴ、未発表曲も含むデモ・ヴァージョンを追加した3枚組再発盤。リマスターで音の切れ味と圧力が増し、再発盤としての魅力はずば抜けています。今後リリース予定の「俗悪」と「脳殺」のリマスターにも期待が持てる仕上がりとなりました。

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01. SOFT MACHINE "Bundles"
個人的には最も再発を待っていた作品。プログレ時代のアラン・ホールズワースのベスト・プレイといえる熱演を存分に満喫できる至高の1枚。初期のカンタベリー系からは遠くかけ離れたフュージョン・スタイルになりましたが、これはこれで全然アリといえる名作ですね。

(Honorable Mentions)
JIMI HENDRIX "Valleys Of Neptune"
KING CRIMSON "In The Wake Of Poseidon (40th Anniversary Edition)"
MATS/MORGAN BAND "Music Or The Money?"
PAUL McCARTNEY & WINGS "Band On The Run (Deluxe Edition)"
SAD CAFE "Misplaced Ideals"
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