Music's Gonna Set Me Free...
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DARKEST HOUR "The Eternal Return" 2009/ 07/01/ 水
DREAM THEATER "Black Clouds & Silver Linings" 2009/ 06/30/ 火
THE MARS VOLTA "Octahedron" 2009/ 06/24/ 水
QUEEN + PAUL RODGERS "Live In Ukraine" 2009/ 06/17/ 水
ASTRA "The Weirding" 2009/ 06/13/ 土
SAXON "Crusader" 2009/ 06/06/ 土
LOUD PARK 09にJUDAS PRIEST出場決定 2009/ 06/05/ 金
ARCH ENEMY "Burning Bridges" 2009/ 06/03/ 水
U.K. "U.K." 2009/ 06/01/ 月
ラジオでフライング発表はあったようですが、本日「LOUD PARK 09」の出場アーティスト第2弾が発表されました。

(10/17)
JUDAS PRIEST
MEGADETH
ARCH ENEMY
OUTRAGE
POISON THE WELL
LED ZEPAGAIN (New)
HIROAKI TAGAWA (New)

(10/18)
SLAYER
ROB ZOMBIE
FAIR WARNING
PAPA ROACH (New)
NAPALM DEATH
HATEBREED (New)
STEADLUR (New)
H.E.A.T (New)
LAZARUS A.D.


第1弾のインパクトに比べると今回追加のメンツは若干弱い気が...個人的にはPAPA ROACHが気になります。今年新たに設けられた2日目のメロディアス・ハード枠(FAIR WARNING、H.E.A.T)ですが、やっぱりどうしても場違い感は否めないですね。SLAYERNAPALM DEATHにどういう風にタイムテーブルに組み込んでいくのか、クリエイティヴマンの手腕に注目です。どちらも3つ目のステージだったりして。

今回多くの人が気になっているであろう田川ヒロアキという人は盲目のギタリストで、ネックを上から持つ独特の演奏法を売りにしており、二井原実に見出されてHR/HM界に進出したということです。LOUD PARK出場がより幅広い認知を得る切っ掛けになるか、注目したいところです。
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RATING: 8/10


昨年ハイテク・シュレッダーのクリス・ノリス(G)が脱退し、その後の展開が不安視されたDARKEST HOURの2年ぶりの6作目。後任として加入したマイケル・キャリガンもテクニックは申し分なく、少なくとも演奏面ではノリス脱退の痛手は感じませんが、音楽面では前作「Deliver Us」でこれでもかとぶち込んでいたメロディアスなリード・ギターが抑えられ、速い曲がさらに増えたことにより、印象としてはスラッシュ・メタル寄りに大きくシフトした(というか、直接のルーツのひとつであろうAT THE GATESに一気に接近した?)感もあります。これにより、流麗なソロをより効果的に聴かせることができるようになったのは大きいですが、その反面印象に残るリフが少なく、やはり傑作「Undoing Ruin」ほどのテンションに肉迫できていないのが惜しいところです。とはいっても十分に質は高いし、"Blessed Infection"あたりはイイ線行っていると思いますが...彼らに求めるハードルが無意識のうちに高くなっていることを実感させる1枚ですね。

 
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RATING: 9/10

過去数作と同様に曲作りとレコーディングを同時進行で行い、浮かんでくるアイディアを次々に詰め込んだためにどんどん曲が長くなっていく傾向は相変わらずながら、今作では超絶技巧よりもメロディに最大限の配慮を払った結果、ダーク&ヘヴィなサウンドとキャッチーなメロディの同居という、アルバム・タイトルとジャケットが示すテーマを実に分かり易い形で表現しており、これだけの大作指向で、かつ曲ごとのタイプを変えながらも、常にダレることなく進んでいく展開の構成力が何よりも印象に残ります。僕にとっての聴きどころはやはり後半。どこかで聴いたことのあるフレーズが連発される"The Shattered Fortress"は最初聴いた時に「なんだこれ」と思いましたが、「Six Degrees〜」以来続けてきた“アルコール依存症を克服する12のステップ”の完結編ということで、過去のステップの断片を組み合わせて最後に"The Glass Prison"のイントロで締める構成に思わず納得。おそらく多くの人がやっているであろう、iPodでこのシリーズをプレイリスト化して聴くのを僕もやってみましたが、前の4曲の中でもフレーズの流用がふんだんに行われており、不思議と統一感が出ているのが面白い。是非今後のライヴで12のステップを通しで演ってほしいものです。"The Best Of Times"歌い出しのアレンジはモロにRUSH"The Spirit Of Radio"を思わせ、つい苦笑してしまいますが、この曲に関してはペトルーシの渾身の名演といえる泣きまくりのエンディング・ソロがすべてをチャラにしてくれているような気がします。"The Count Of Tuscany"は前半の怒涛の変拍子大会で緊迫感を煽りつつ、後半で急転してアコースティックへ移る展開。エンディングSEがYES"Close To The Edge"のイントロSEを思わせるという一部の評判ですが、確かに似ていますがこんなところにまでパクリだなんだとツッこんでいたらキリがないでしょう。

ミカエル・オーカーフェルト(OPETH)を意識したと思われるポートノイのヴォーカルが安っぽく聞こえて仕方がないことを除けば、今聴いてもやや微妙な印象が拭えない前作に比べると聴き応えには雲泥の差があります。3枚組デラックス盤に収められた今作のインスト・ミックス盤(ヴォーカルだけでなくギター・ソロ、キーボード・ソロもカット)を聴いていると自然と頭の中で歌メロが浮かんでくることからも、今作のメロディ面への自信が窺えるでしょう。個人的には素直に快作と言いたい1枚です。レーティングはオリジナル・アルバムのみに対しての点数です。カヴァーCDはあくまでもお楽しみ、ということで。
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RATING: 8/10

恐ろしいほどのペースでソロ作品をリリースし続ける(録音時期は多岐にわたっていますが)オマー・ロドリゲス・ロペスですが、活動の核となるTHE MARS VOLTAでも前作から1年半というハイ・ペースで5作目となる新作をリリース。過去最高にアグレッシヴな作りだった前作から一転して“静”の側面を全面的に押し出した作りで、従来路線の曲といえるのは"Cotopaxi"のみ(それでも過去の作品に比べるとブッ飛び加減は控えめ)ということで、またしても賛否両論を呼ぶことは必至といえそうな内容です。ブッ飛んだヤツを聴きたけりゃ今作の直前にリリースされたEL GRUPO NUEVO DE OMAR RODRIGUEZ LOPEZのアルバムを聴いてくれ、といわんばかりの突き抜けた開き直りようで、常に新たな路線を開拓し続けようとするオマーの貪欲な姿勢を垣間見ることができます。 

しかしそうした変化に捉われることなく冷静に聴き進めていくと、繊細な声で叙情的なメロディを歌い上げるアコースティック系の曲からは70年代プログレからの影響が色濃く感じられるし、スローな曲でも変拍子が以前とは違ったベクトルから緊迫感を演出していき、いくら表面的な音像が変わろうとも、音に込められた熱量の高さはそれまでと全く変わっておらず、やはりすべてがTHE MARS VOLTAにしか作り得ないものだと感じました。真にプログレッシヴな姿勢を映し出し、これまでの曲単位からアルバム単位での“予測不可能”な段階へ...という新たな局面を見せた今作は、あと何枚かアルバムを重ねていくうちにその真価が見えてくる、そんな1枚ではないか...と、今は言いたいですね。
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先頃ポール・ロジャースにより活動終了が発表されたQUEEN + PAUL RODGERSが昨年12月1日の世界エイズ・デーにウクライナで35万人(!)を集めて行われたフリー・コンサート(!!)の模様を収めたDVD。前回のツアーでは3曲演っていたFREEの曲は今回は"All Right Now"のみで、代わりにBAD COMPANY"Seagull""Shooting Star"という渋めの曲をセレクトしたり、前回はブライアン独りによる弾き語りだった"'39"がバンド・メンバー全員参加によるジプシー風アレンジでプレイされるという違いはあるものの、基本的には前回のツアーとほぼ大差ないセットの流れ("Radio Ga Ga"を演ってないのが残念!)。しかしなんといってもこのDVDの目玉は実に35万人という想像を絶する数のオーディエンスの熱狂ぶりと、それに応えるバンドの熱演の相乗効果。特にラストの"We Will Rock You""We Are The Champions"でほぼすべての観衆が両手を振り上げるシーンは圧巻の一言。今のロック界でこれだけの規模のライヴをやれるバンドがどれだけいるか。今作はQUEENの楽曲が未だそれに値することを証明した貴重な記録だけに、QUEENとロジャースの合体が2回のツアーとアルバム1枚で終わってしまったこと、そしてもう1度日本に来なかったことが本当に残念です。散々「死んでもこれをQUEENとは認めない」と言われようとも、果たしてヴォーカルがポール・ロジャースでなかったらこれだけのものは生み出せただろうか。たとえ“疑似体験”だろうと、彼らが素晴らしいロック・ショウを見せてくれたことは紛れもない事実です。夢を本当にありがとう。

このエントリーを書いている時点ではまだ日本版は出ていないため、僕が購入したのは勿論輸入版ですが、オプションで日本語の字幕を表示できるのが非常に嬉しいです。IRON MAIDEN「FLIGHT 666」の輸入版もそうでしたが、最近のEMIは実に良い仕事をしていますね。
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RATING: 8/10

このところドゥーム、HRに限らずヴィンテージ・ロック全般を扱うレーベルへと変わりつつあるRise Aboveから、DIAGONALに続く新たなるプログ・ロックの刺客といえるサンディエゴ出身の5人組のデビュー作。先のDIAGONALがジャズ・ロック色が強かったのに対し、こちらはPINK FLOYDからの影響が強いサイケデリックなスタイルが中心で、そこにフルート、メロトロン、ハードかつブルージーなギターなどが積み重なって壮絶なまでの泣きを演出していく。頼りなげなヴォーカルの声質もこの音楽性にはジャスト。10分超えの曲が4曲、全8曲でトータル78分とCD収録時間の限界まで音を詰め込んだ大作指向ながら、ドラマの洪水と白熱する演奏の前にどんどん引き込まれていきます。これをアメリカ人が2009年に作り上げたというのが信じられないほどに、その音像は70年代前半のブリティッシュ・プログレッシヴ・ロックを徹底的に研究・咀嚼したものであり、よくこんなバンド探してきたな、と思わずにはいられません。HIGH ON FIREなどを手がけたアリック・ローパーによるロジャー・ディーン・リスペクトなジャケットも秀逸。「ストレンジ・デイズ」や「ユーロ・ロック・プレス」の読者にはチェックの価値ありといえる1枚です。

 
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SAXON30周年記念再発シリーズ第2弾の最後は、イギリスを制圧した後の次なる標的として、アメリカへの侵攻を開始した'84年リリースの6作目です。

前作でリフ・オリエンテッドな路線に限界を感じたこともあってか、今作では歌メロに重点を置いた路線へと大きく傾いていきますが、その歌メロがポップな感触のものが大半を占めていたことがファンの反発を買い、特に"Sailing To America"はそのタイトル故にアメリカへの身売りと見なされてしまい、旧来のファン離れを引き起こした上に新規ファン層の開拓にも失敗するという最悪の結果を招いてしまい、本作以降SAXONは長い低迷期に突入していくことになります。しかし本作がどうしようもない駄作かというと決してそんなことはなく、荘厳なタイトル・トラックは「ライヴで演らないと暴動が起きる」と語っていたほどに長いことライヴの定番として重要な位置を占めていましたし、ビフのヴォーカルも歌メロに合わせた向上の跡が窺え、個人的には前作で演りたかったことが本作でようやく形になった、という見方をしています。それに本作で聴けるポップさは1stの頃から既にあったし、傑作2ndにも"Suzie Hold On"というポップ・ナンバーがあったわけで、それを踏まえた上で本作に接すれば決して違和感は感じないと思います。それまでの暴走ドライヴィン・チューンがほぼ姿を消したのは確かに残念でしたが...。

今回再発で追加されたボーナスはデモ・トラック9曲で、未発表に終わった"Borderline""Helter Skelter"(THE BEATLESとは別物)もありますが、この2曲は前作以前の雰囲気を残した硬派なナンバーで、アルバムのカラーに合わなかったため漏れたのではないかと思えます。なお、完結編となる「Innocence Is No Excuse」「Destiny」までのシリーズ第3弾のリリースは現時点ではまだ決まっていませんが、これまでより反響が少なくなりそうなことが予想できるだけに、慎重にリリースの時期を見計らっているのでしょう。
昨日いよいよ「LOUD PARK 09」の出場アーティスト第1弾が明らかになりましたが、それを受けて本日オフィシャル・サイトがオープンしました。

日時・会場: 10月17日(土)18日(日) 幕張メッセ

ラインナップ:
JUDAS PRIEST
SLAYER
ROB ZOMBIE
MEGADETH
ARCH ENEMY
FAIR WARNING
NAPALM DEATH
OUTRAGE
POISON THE WELL
LAZARUS A.D.


今年のヘッドライナーは「BRITISH STEEL」完全演奏が期待されるPRIEST、3年ぶり2回目の出場となるSLAYERとなりました。これはやっぱり観たい。もしかしたらSLAYERはこれが最後になるかもしれないし...。

しかし何よりも嬉しいのは去年のレポートで今年への期待として挙げた、会場が幕張メッセに戻ったことと、それに伴い3ステージ制が復活したことでしょう。懸念されていた椅子席についても2000席のみ完全指定制ながら用意され、オールド・ファンへの配慮もしっかりされています。ビッグ・ネームから未だ見ぬ強豪まで、過去最大のヴァラエティが期待できそうです。しかしFAIR WARNINGはどうみても浮いてるなぁ。
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最近旧作の再発に力を注ぐCentury MediaからARCH ENEMYの2ndと3rdがリマスター+ボーナス追加で再発されました。今回ご紹介する3rdには日本盤ボーナスだった2曲の他、JUDAS PRIEST"Star Breaker"IRON MAIDEN"Aces High"のカヴァー2曲、日本のみの発売だったライヴ盤から5曲と合計9曲のボーナスが追加されています。ライヴ盤の残りの曲は2ndに追加されています。今回の再発にあたり、ブックレットに本作時のヴォーカリストであったヨハン・リーヴァが当時を回想する短いライナーノーツとマイケル・アモットによる各曲別コメントが加えられています。

僕は目下の最新作をレビューした際に本作をARCH ENEMYの“私的最高傑作”と評しましたが、それは今でも変わることはありません。前作まではデス・メタル色とクラシック・メタル色のバランスがいまひとつとれておらず、よって必殺のギターも強引にねじ込んだように聞こえることが個人的には残念だったのですが、クラシック・メタル・サイドに根差した曲作りに大きくシフトしたことにより、曲を構成する全てのパーツが見事に噛み合うようになり、前2作を遙かに凌ぐ比類なき完成度を獲得しました。オープナー"The Immortal"のギター・ソロ・バトルや"Demonic Science"のエンディング・ソロは今でも間違いなく名演といえます。しかし、今作を私的最高傑作たらしめる最大の要因はなんといってもリーヴァのヴォーカルにあります。確かにデス・メタル・ヴォーカリストとしてパワーが不足しているのは認めるし、リズム感の弱さを嫌う人が多かったのも事実ですが、本作では速い曲で平気でリズムからモタるシャウトすらもカッコよく感じられるし、何よりリーヴァは当時デス・ヴォイスに感情を込めることのできる数少ない逸材だったわけで、そのポテンシャルを最大限に発揮した、まるで人生捨てたかのような負け犬デス・ヴォイスが最高にクールだったのです。リーヴァ自身もライナーにおいて「本作がこれまで録音、発表してきた中で最高のヴォーカル・パフォーマンス」とコメントしています。

しかしそのリーヴァの奮闘も空しく、よりワールドワイドな展開を視野に入れ始めたマイケル・アモットに「世界を相手に活動するにはキャラが弱い」という烙印を押され、本作をもって非情の解雇。新たにアンジェラ・ゴソウを加え、メタル原理主義者を完全に味方につけてのその後の躍進については言うまでもないでしょう。一方のリーヴァは新たにHEARSEを結成、その負け犬ぶりにさらに拍車が掛かっていくことになります(間もなく新作もリリース!)。この秋にはリーヴァ時代の楽曲をゴソウのヴォーカルでリメイクしたアルバムのリリースが控えており、いよいよリーヴァの影はARCH ENEMYの歴史から完全に消されようとしています。しかしこのアルバムの曲を歌う権利があるのはリーヴァ以外にあり得ない!僕は今でもそう思いますし、そんな時期に本作がリーヴァのライナー付きで再発されたことには大きな意義があると信じてやみません。
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70年代プログレッシヴ・ロックのスーパー・バンドとして鳴り物入りでデビューを果たしたU.K.が活動中にリリースしたオリジナル作2枚とライヴ盤「Night After NIght」がデビュー30周年を記念し、音楽的な中心人物であったエディ・ジョブソン自身によるリマスターで先日再発されました。日本盤はベル・アンティークから紙ジャケSHM-CDでのリリースということで、やや値が張るのが気になりますが、なにしろ'06年にEMIから紙ジャケで出た際にも実現ならなかった待望のリマスター化ということで、ファンはチェックせざるを得ないところでしょう。オリジナル作2枚はどちらも甲乙つけがたいプログレの逸品ですが、僕が思い入れを持つのはやはり'78年リリースの「憂国の四士」という秀逸な邦題がつけられた1stです。

パンク・ロックの台頭によって壊滅状態にあったプログレッシヴ・ロック界を救うべく、KING CRIMSONROXY MUSICURIAH HEEPのジョン・ウェットン(Vo,B)とYESKING CRIMSONのビル・ブラッフォード(Ds)、SOFT MACHINEGONGのアラン・ホールズワース(G)、CURVED AIRROXY MUSICのエディ・ジョブソン(Key,Vln)という超強力なメンツで'77年にU.K.を結成、翌'78年に本デビュー作をリリースしました。ホールズワースとブラッフォードによる超絶技巧と来るべき80年代を予感させるジョブソンの未来的なキーボード・サウンドが70年代プログレの伝統を継承しつつ、よりモダンに進化したサウンドを作り上げています。冷静に聴くと歌メロは結構むりやりにはめ込んでいる感もありますが、そこはウェットンのダンディ・ヴォイスとメロディ・センスにより、絶妙のさじ加減が実現しています。

前半は3部構成の組曲でのシンフォニックなアプローチ、後半ではジャズ・ロック的なインタープレイの応酬とカラーは分かれていますが、既にヴォーカル・オリエンテッドな方向に向かっていたウェットンとジャズ指向のホールズワースとブラッフォード(実際、後に2人とも完全にジャズ/フュージョンの人になってしまうわけですが)の接点がこれ以上ないほどにギリギリのバランスで表現されており、このメンツがアルバム1枚のみで終わってしまったのもなんとなく理解できる内容です。実際今作で示されたサウンドのうち、ジャズ的な側面は脱退した2人がその後結成したBRUFORDにそのまま引き継がれることになります。残ったウェットンとジョブソンは新たにテリー・ボジオ(Ds)を迎え、よりヴォーカルの比重を強めた2作目「Danger Money」をリリース、来日公演も行いますが、結局そこでパンクの嵐の前にはかなく散っていくこととなりました。ウェットンはその後ソロ活動を経てASIA結成に動くわけで、U.K.はウェットンがプログレッシヴだった最後のバンドということになります。ジョブソンは昨年、より進化したヘヴィ・プログ・ロック・サウンドを具現化すべくUKZを結成しEPをリリース、現在はフル・アルバムを制作中です。
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SAXONデビュー30周年記念再発シリーズ、5回目は名作ライヴ盤「The Eagle Has Landed」を挟んで'83年にリリースされた5作目です。今作よりドラムがナイジェル・グロックラーに交代し、前任のピート・ギルはMOTORHEADに移籍しました。世間一般的には今作までがSAXONの(最初の)全盛期とされていますが、それもなんとなくわかる内容といえます。プロダクションが前作までと比べて大きく向上し、全体的にキャッチーさを打ち出した曲調になっていますが、いかんせんビフの音域の狭いヴォーカル・ラインがそのままのため、これまでのシンプルなリフ主体のスタイルから一歩先へ踏み出そうとしている様子が窺えるものの、どことなく消化不良な印象を受けてしまいます。しかしながらオープニングのタイトル・トラックを始めとして、やはりリフの格好良さは特筆すべきであり、それにまたもどかしさが感じられるところです。今作は従来路線の限界を図らずも露呈してしまった感があり、次作以降に歌メロを重視する方向に進むのは今考えれば、ある意味必然的だったといえるかもしれません。

再発に際して追加されたボーナス曲はシングルB面の"Denim And Leather"のライヴ、"Suzie Hold On"の'82年再録ヴァージョン、'82年録音のデモ7曲で、デモの中には未発表に終わった"Turn Out The Lights""Stand Up And Rock""Saturday Night"という曲が含まれており、どうせならこれもちゃんと完成させて世に出してほしかった、というところです。
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RATING: 9/10

ワシントンDC出身のインスト・プログ・メタル・ユニットがProstheticからリリースしたデビュー作。WATCHTOWERMESHUGGAHCYNICSPIRAL ARCHITECTの流れにある変態プログレ・フュージョン・メタルで、怒涛の速弾きのみならずクリーン・サウンドやアラン・ホールズワースばりのトーンなどの多彩な表現を聴かせるギターが、全編で偏執的に繰り出される変拍子の嵐との絡みを実にセンス良くキメまくる。さらには静けさの中から突如エレクトロニクスが切り込み、そのままヘヴィ・パートに雪崩込む展開が実にクール。これは久々にスゲェバンドが出てきたなぁ...と思っていたら、なんとこれが8弦ギターを操るTosin Abasiという黒人ギタリストによるワンマン・プロジェクトだということで更に驚き。ドラムはすべてプログラミングのようですが、言われなければそうだとわからないくらいにリアルな音色。そして何よりも、ギターのみならずリズムにも徹底的にこだわり、このプロジェクトが今作1枚で終わったとしても何ら不思議ではないほどの驚異的なテンションとエナジーを独りですべて作り上げてしまうAbasiという男はまさしくプログレッシヴである、というしかありません。ライヴに向けてメンバーも集めているようですが、これでインプロヴィゼーションをバリバリにキメまくって1曲で20分ぐらい引き延ばすようなライヴをやったとしたらマジで凄いことになりそうです。変態プログ・メタル好きは問答無用でマスト。

 

 
From BLABBERMOUTH.NET

'93年にMAYHEMのユーロニモス殺害および教会への放火の罪で懲役21年の実刑判決を受け、服役していたBURZUMのカウント・グリシュナックことヴァーグ・ヴィカーネスが出所したことが明らかになりました。

2003年に仮出所した際に車を奪って逃走を図ったものの失敗したということもありましたが、刑期を5年残して出所が認められたということは、よほど獄中での態度が良かったということなのでしょう。実際、この2,3年間は家族と会うための仮出所が許可されていたようです。そして昨年、出所後の生活に備えて農場を購入していました。

「俺の心は刑務所の中にはない。ずっと釈放された日に何をしようかということばかり考えているよ」
「息子には生まれてからというもの、ずっと会えていない。毎日電話で声を聴くことができても、成長する場面に立ち会えないのは凄くつらい」
「俺は家族が恋しい。農場で働き、音楽を作り、本を書き、妻や子供達と一緒に暮らし、普通の生活ができる日を待ち望んでいる」


昨年夏にこのように語っていたヴァーグ、もはやかつての極悪ブラック・メタラーの面影は全く残っていなさそうです。今度こそ、本当に信じていいのでしょうか。
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SAXONデビュー30周年記念再発シリーズですが、この4月に第2弾として「Denim And Leather」「Power And The Glory」、「Crusader」の3作がリリースされました。この後、アメリカ進出を狙うも失敗に終わり、長い低迷期に入ることとなった「Innocence Is No Excuse」「Destiny」までの3作が第3弾となり、シリーズが完結することとなりました。今回のシリーズには「The Eagle Has Landed」は含まれていないんですね。'06年に再発されたこともあるからだと思いますが。

今回ご紹介する'81年リリースの4作目は当時のメタルの象徴的ファッションであった“デニムとレザー”をタイトルに冠し、そのタイトル・トラックでメタルヘッズの生活と連帯感を歌うことで、同じNWOBHMの勝ち組であるIRON MAIDENDEF LEPPARDと違ってあくまでファンの目線に立ったことにより、当時のシーンの中で“アニキ”としての信頼感を確立した1枚です。ファンとの連帯感をアンセムとして歌うというテーマは現在でも"Rock Is Our Life" "I've Got To Rock(To Stay Alive)" "Live To Rock"といった曲で受け継がれ、SAXONのもうひとつの芸風として確立されることになります。

前2作は1曲目に強力なキラー・チューンを配してきましたが、今作の"Princess Of The Night"もそれに漏れず、「LOUD PARK 07」のレポートで書いた「いつ聴いても最強」と今でも思えるリフでグイグイ引っ張って行く最高のロッキン・メタル・ソングです。それに続く曲も粒揃いで、ブリティッシュ・メタルが好きなら2nd〜今作までの3枚はマスト、と言い切れるだけの出来栄えを誇っています。

今回のボーナス・トラックはシングルB面曲だった"20,000 Ft"のリミックスと'80年「モンスターズ・オブ・ロック」からの"Bap Shoo Ap"(これでドニントン・ライヴの音源がすべて揃うことになりました)、'81年のツアーからセレクトされたライヴ7曲の計9曲です。「The Eagle〜」収録時期のライヴということで、当時のSAXONの勢いを伝える好演が揃っています。
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RATING: 9/10

“ディオSABBATH”としては「Dehumanizer」以来17年ぶりとなる新作。その前作はリリース当時、モダン・ヘヴィネス云々と言われて否定的な反応が多かったと記憶していますが、今聴くとちっとも“モダン”でもなんでもないことがわかります。そして、今作はその流れを順当に受け継ぎつつ、キーボードによる叙情性をオミットしてオジー期のドゥーミーな色合いを加えた、前3作とは異なる感触の内容に仕上げてきました。しかしその重さは前作を遙かに上回っており、全編通してアイオミのクールなリフが冴えわたっています。個人的には重さ、邪悪さ、威厳のすべてを備えた"Atom And Evil"のイントロ・リフが飛び出した時点で既に勝負はあったというところです。そこにディオの衰え知らずのヴォーカルがさらなる凄味を加える。中にはオジーが歌ってもよさそうな歌メロも出てきますが、やはりこの音にハマるヴォーカルはディオ以外にありえないというのが奇跡的ですらあります。ほぼ全曲のサビで曲のタイトルを連呼するわかりやすさもあって(実はこれが今作の肝ではないでしょうか)、速い曲が終盤に固められた構成もさほど気にならない。「LOUD PARK」でのステージの充実ぶりをそのまま反映させたかのような、2009年の今、このメンツに期待されるものに理想的な答えを出した、問答無用の傑作でしょう。「Dehumanizer」以降、散々こき下ろされながらも同時代的な重さを自らの音楽に取り入れてきたディオの執念はここで遂に実を結びました。前作をモダンだとして否定してきたくせに今作を素晴らしいというのは全くもって筋が通らないし、そもそも“ヘヴィ”にモダンもクソもねえんだよ。